北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1828】Bread and Butter Chardonnay 2016


Bread and Butter Chardonnay 2016
 
 まず見た目。かなり黄色っぽい色彩で、樽をきかせた新世界のシャルドネとしては想像通りの感じ。ワインのあしも長い(粘性度が高い)。香りを確かめると、うっと息がつまるほどの樽香。まさにブレッド&バターという名のとおり。先日の、もうちょっと安いカリフォルニアワインにあった、夕張メロンっぽさに比べると蜂蜜やバニラが強く、それらの香りがストレートに来る。ここまで樽フレーバーが強いと、比較対象として高級なシャルドネを想定したくなるけれども、高級なシャルドネにある、「ミネラルっぽさ」や「酸味や爽やかさ」がこのワインからは伝わってこなくて、ひたすら蜂蜜&バニラなところが違っている。
 
 口をつけてみると、味の外郭に酸味が少し感じられはするものの、やはりブレッド&バターな、とてもコクのあるこってりコテコテのシャルドネ。こんなたとえは許されないかもしれないけれど「大阪ジャンクフード風のシャルドネ」。膨張感もあってとにかくデカい感じはある、が、白ワイン(というかワイン全般)にあってしかるべき酸味との調和という点では、あまりにもこってりしていてデカいせいで褒められたものではない。
 
 ※翌日になって、少しワインに酸味が乗ってきて朴直なまでのブレッド&バターが落ち着いて飲みやすくなった。2日目のほうがバランスは良いと思う。
 

【1827】Crimson Ranch California Chardonnay 2017

 
クリムゾン ランチ シャルドネ[2017] マイケル モンダヴィ
 
 ちょっと風邪をひいてしまい、しばらくワインはお休みしていました。
 
 このワインは、カリフォルニア産のあまり値段の高くないシャルドネ。販売店には「樽がきいている」とあったので、そういうカリフォルニアなシャルドネを期待しての抜栓。
 
 まず見た目。カリフォルニア産の白ワインとしてはやけに色が薄く、かといって、ブルゴーニュ地方のシャルドネみたいな卵色っぽい白さではなく、少し黄緑色がかった、やや薄目の色合いをしている。粘性土もかなり高い。ブルゴーニュ系の白ワインにたとえるなら「マコン地方」のものに近いかも。香りは、夕張メロンがぶわーっと立ち上がってくる。バニラとかクッキーではなく夕張メロン。とても精気があるようにも感じられる。興味が沸いてきた。
 
 口に入れると、ぶわっと樽!樽だぁ!それもバニラではなく夕張メロンがバンバンに効いた樽。バニラやクッキーや蜂蜜でなく、糖度の高い夕張メロンを帯びたシャルドネがここにある。とにかく濃いけど、思ったよりはくどくない。やるじゃん、濃いなりに、夕張メロン系なりに、まとめあげている感じがある。繊細なあやを欠いているかもしれないけれど、そういうワインでもないでしょう。これはこれで安カリフォルニアワインとして納得のいく展開。夕張メロン系の樽フレーバーをお望みなら、お買い得な一品ではないかと思う。
 
 ※翌日になり、夕張メロン系から少しバタークッキーっぽさに傾いてきた。こちらのほうが「らしい」けれども初日だって悪く無かった。すごいワインではないけれどもちゃんとカリフォルニア感のあるシャルドネだった。
 

【1826】Zardetto "Z" Prosecco Extra Dry (N.V.)

 
プロセッコ・エクストラ・ドライ [NV] (ザルデット)
  
 このワインは、久しぶりのプロセッコ。プロセッコの構成品種はグレラ、よそではあまり飲まない品種だけど、これがプロセッコの爽やかな飲み心地を作ってくれているんだろう。とりあえず、やってみよう。
 
 グラスに注ぐと、かなり色の薄いスパークリングワインで、泡の量もそれほどには多くない。とはいえ、こうしたことはプロセッコの欠点とは必ずしも言い切れない。こういうものでしょう。香りは、ニッキ水みたいな甘い香りと、ヒヤシンスとかそういう方面の水耕栽培系の花の匂いを思わせるような、独特のかぐわしさがあってなかなか面白い。独自品種、という感じがする。
 
 口に運ぶと、やはりすこーしニッキっぽいかも。でもって、その後からこみ上げるシトラスはすだち・ゆず系。すごい爽やかで和風な雰囲気だ!これ、和食にだいたい合わせられるんじゃないか? とてもライトなスパークリングワインながら、個性ははっきり、用途もなんとなくみえるような品だった。
 

【1825】Chateau Tour St Bonnet Medoc 2014

 
シャトー ラ トゥール サン ボネ 2013
 ※リンク先はヴィンテージが異なります。また購入した店舗ではありません。
 
 ボルドーの赤ワインはボトルを観ても値段やクオリティがあんまりよくわからない。けれどもこのワインには「Medoc」という文字と「Cru Bourgeois」という文字が読み取れるので、「メドックでつくられたブルジョワ級の赤ワイン」ということがみてとれる。ということは、それなりクオリティがある、ということになっているのだろう。
 
 まず見た目。やや、青紫がかったワインレッドで不透明感がある(うちに来てからそんなに日にちが経っていなかったせいもあるかもしれない)。香りは、ボルドーとしては梅系線香が先行するような香りで、その後ろからほっこり果実がじりじりこみあげてくるような。ドカドカとした香りで押してくるタイプではなさそう。
 
 口に含んでみると、苦みと厳しいタンニンがどんと来てひるまずにはいられなかった。果実味は、甘味は控え目でもパワーがあり、苦みとタンニンも合わさって力強いけれども禁欲的な一種独特の容貌。「おまえ、もっと熟成させてから飲め」「もう少し安置してから飲め」という強い抗議を受けた。なんか飲み進めても堅物っぽさが続いて、ソフトな感じもしてこないので明日に残して勝負。
 
 ※翌日。鉄っぽさが増して、果実味にトマトっぽさも加わった。荒々しさは落ち着いたけれど、この筋はボルドーに期待するっていうよりボルドー以外の(たとえば南仏とかの)ボルドーブレンドワインに期待する筋であり、たとえば先日のシャトーラネッサンに比べると線は太いが繊細なあやが足りないと感じる。あと、2014なのにワインのおりが少なからず観察されたのも気になった。ボルドーブレンドでそんなに早くおりが発生するものなのか?このボトル自体に何か問題があった可能性も否定できない。
 

【1824】Montes Classic Series Merlot 2017

 
モンテス クラシック メルロー 2017
 
 チリでつくられている天使のラベルのモンテスシリーズ。昔は好きじゃなかったけれども最近はチリワインらしさがあってかえっていいんじゃないかと思うようになり、時々飲んでみるようになった。これは、「クラシックシリーズ」という一番ベーシックなやつ。ベーシックでもチリワインたるものちゃんとチリワインしてくれていることが多いので期待。
  
 グラスに注ぐと暗褐色のワインレッド、透明感はない。まあとにかく濃いメルロー。香りは残念ながら弱め。よく匂いを確かめるとインク&ピーマン&果実系といった感じがしなくもない。ワインが廊下で冷えていたせいかもしれない。
 
 口に含むと、ミルキーで甘味たっぷりの果実味がドドドドと押し寄せてきた。でもって強烈なインクっぽさを伴っている。若いワインだからかタンニンがばしばしきつく、苦みもしっかりしている。濃い。そして少しだけ野良くささを伴っている。でも、チリワインなんだからこれがいけない道理はない。これはこういうジャンルものだと思う。ただ、ワインが温まってきても香りがちょっと弱いのはチリワインらしくない。もうひと押し。
 

【1823】Remoissenet pere et fils Rully 2014

 
リュリー・ブラン [2015] ルモワスネ
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 このワインは、ウメムラの福袋セットに入っていた「リュリー」という地域のワイン。こういうマイナーな地域のシャルドネは絶対に自分では買わないので、福袋ならではの出会い。福袋の数合わせという感じは否めないけれど、それもいいでしょう。
 
 グラスに注いでみると、明るいけれども少し麦わら色をしていて意外に赤~オレンジ色っぽいカラースペクトルをしている。香りは、台所洗剤系というか「すがすがしい」フレーバーが前景に出ていてさっぱりとしたライトなシャルドネを連想させる。まずまず普通のシャルドネ? 少しだけローソクっぽいフレーバーも感じる。
 
 口に含むと、まさにそのローソクがぶわーっと来て、そこからは溌剌としたボディの軽いリンゴ果実系の風味が適度な酸味とともに口に広がった。ローソクはともかく、それ以外は「シャルドネ主体のシャンパーニュから泡風味を除去したような」イメージを受ける。泡ではないシャルドネとしてはやけにリンゴをイメージさせるところがあり、なおかつ、ローソク風味がそこに長く付随しているような。リンゴフレーバーは香りにも乗ってきてだんだんリンゴっぽい匂いもしてきたぞ。あと、これまたシャンパーニュや一部のスパークリングワインにありがちな金属感を少し伴っているようにも感じる。
 
 これがリュリーという地域の特質だとは思えないけれども、ともあれあまり経験の無いタイプのシャルドネだった。
 
 ※翌日は、酸味が増していよいよ小柄になった。初日のほうがはっきり良かった。