北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2055】Alma Cersius Ponte De Caylus Rouge 2018

ポン ド ケイラス ルージュ [ 2018 ] アルマ セルシウス
 
このワインは、フランス南西部ラングドック地方で作られたブレンドワイン。地域から言っても、ブレンドワインという点でも、何が来るのかちょっと楽しみ。予断をもたず、挑んでみましょう。
 
グラスに注いでみると、暗い赤ワイン色だけど、赤茶色というには少し青紫方面にカラースペクトルが傾いている。香りは、初手から酸っぱそうな香りが強くて、面白いことに梅系というより、シトラスを連想させるところがある。なんだろう……グラスから「みかん」が漂ってきていると強く感じる。
 
口に含んでも、やはり「みかん」がいる! 通常の赤ワインのジューシーな果実味とは一風変わった、みかんのような酸味と爽やかさが口のなかを駆け抜けていく。白ワイン品種でいうなら、この爽やかさから連想されるのはアリゴテだけど、もちろん、このワインにアリゴテが入っているとは思えない。タンニンも想像していたよりはキツくなく、気持ち良く飲める。暑い季節の夕暮れにこれはびっくり。爽やかさを伴った安赤ワインとしては、これはアリだと思います。
 
 ※二日目は、初日に比べると果実味にリッチさが前に出てきて、「みかん」の残り香とあわさって結構立派。「みかん」に加えて「みかんの木」が加わった感じがある。いや素直にオレンジピールと言うべきか。いずれにせよ喜ばしい方向に変化してくれてうれしい。
 

【2054】Ilocki Podrumi Traminac Selected 2018

Traminac Selected Ilocki Podrumi
 
このワインは、我が家では定番になりつつあるクロアチア産のトラミネール種。新世界でも作っているゲヴュルツトラミネールに比べてフルーティーな感覚の強い、イタリア産のトラミネール・アロマティコに近い飲み心地なのでひいきにしている。
 
まず抜栓し、色のチェック。かなり白ワインとしては濃く、かといって黄金色という風でもない。気泡が入っているのであまり高価なワインには見えない。香りは、ライチやフルーツの缶詰のジュースみたいな香りがする。嫁さんはトウモロコシっぽさがある、とも表現していた。言われてみればそうかもしれない。
 
口をつけると、あいかわらず微炭酸が入っていて、そこに石灰岩系ミネラリーな雰囲気が伴う。トラミネール系のワインらしい甘さとふくよかさがあるけれども、ミネラリーな風味のおかげでだらしない飲み心地に堕していない。
 
※二日目になって、少し果実味とライチっぽさが優勢になったかも。とはいえ涼しくてミネラリーな白ワインであることにはかわりない。トラミネール系としてはやっぱりよくできていると思う。
 

【2053】Chateau Phelan Segur 1998

シャトーフェランセギュール 2016
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 ボルドーの良い品を飲む機会はほとんどなくて、というのも長く寝かせるのが大変だから。で、今回、20世紀のボルドーに久しぶりに遭遇することになった。ものはサンテステフの品。
 
 グラスに注ぐと、黒々として不透明、すごく黒っぽい。やはりカベルネはこういう色合いじゃないと!といわんばかりの。で、香りはもうメチャクチャにやばくて香料系が来る。ブルゴーニュの高級ワインにありがちな化粧箱のような香りでなく、京都の香料屋で出される動物系も少し混ぜた合成香料系のようなやつがもうもうと立ち込めてテンションがあがる。で、口をつければ果実が生き生きとしていてまだまだ現役。酸味はもちろんあるのだけど酸っぱい、と嫌に感じられるでなく口当たりは良好、タンニンもほどよくこなれている。びっくりしながら飲んでいるうちに、爆発的に果実味が炸裂する瞬間や血のような雄々しさを伴う瞬間もあり、香り良し、変化良し、味良しと三拍子揃ったボルドーだった。これだけ優れたボルドーと毎回出くわせるならボルドーを集めるけれど、なかなか難しいところではある。

【2052】Domaine des Croix Beaune les Cents Vignes 2017

 
デ・クロワ ボーヌ一級 チュヴィラン
 
※リンク先はヴィンテージが異なります。また、ボーヌのなかでも異なる一級畑になります。
 
 続いて飲んだのはボーヌの一級、はじめての挑戦になるクロワという作り手。
 
 色合いはとても明るいワインレッド。ブルゴーニュピノ・ノワールってこういう色だろって感じの。香りをチェックすると、ピンク色の香りというか、ジェリービーンズを連想させるすごく甘くてちょっとケミカルな感じのやつが来る。香料っぽさも伴っている。
 
 口をつけると、めちゃくちゃに果実味全開、若々しい。最近、ある程度熟成したブルゴーニュばかり飲んでいたから忘れていたけれど、一級クラスを若飲みするのもやっぱり気持ち良いものですね。はちきれるような、透明感のあるような甘くて酸っぱくておいしいワイン、あまり難しいところはないけれどもボーヌ一級に期待するのは複雑さではなく豊かさだと思うのでこれはすごく良いと思う。ドメーヌ・デ・クロワ、覚えたぞ、これは月末飲み用にあってもいいと思うけれども楽天でみる限り、流通はあまりよろしくないようで。見かけたら捕まえてみよう。
 

【2051】Comtes Lafon Macon Bussieres le Monsard 2007

マコン ブシエール[2015]ゼリティエール デュ コント ラフォン
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 このワインは、ラフォンがつくっているマコンのシャルドネのひとつ。ラフォンはマコンで複数の畑を持っていて違いがあるらしいけれど、普段はそんなことはなかなか意識しづらい。とりあえず美味いに決まっているでしょう。ヴィンテージは白ワインが優れていた2007.
 
 まず見た目。マコンとしてはかなり濃いというか、オレンジ色がかっている。トータルでは山吹色ぐらいの色調か。香りは、当初はあんずっぽい少し古くなったシャルドネの香りがしていまいちな感じだった。
 
 口に運ぶと、そこはマコンのシャルドネらしい、新鮮な爽やかさが口のなかを通り過ぎていく。ただ、やっぱり杏子っぽさがあって少し甘く、少し加齢した感じを伴っている。少し待っていると石鹸のような生意気な香りを帯びるようになり、やがて果実味がだんだんに充実してきて飲みごたえが生じてきた。もっとたくさん飲んだら印象はさらに違ったかもしれない。マコンというジャンルは10年以上きちんと熟成させるのが難しいので、熟成するとこうなるのかー感があった。
 

【2050】Mar Andes Cavernet Sauvignon 2018

 
マール アンデス カベルネソーヴィニヨン 2018
 
このワインは、いつだれがどこで買ってきたのかわからないけれども自宅の床下にあったワイン。産地はチリ、品種はカベルネソーヴィニヨンとある。
 
まずグラスにそそぐと、かなりやや青紫色がかったワインレッド。昭和時代に自宅にあった、梅干しの入ったツボのなかってこんな色だった記憶がある。不透明で、やや青紫色がかった感じがする。香りは……なんと、殺虫剤のにおいがする。杉とか梅とかカベルネらしい表現はいろいろあるけど、こいつはなぜか殺虫剤を連想する。正直、びっくりした。あまり良い香りではない。
 
口に運ぶと、カベルネにしては果実味が強い、チリらしい仕立て。ボルドーの安赤ワインに比べると、糖度の高い、プラムらしさのしっかりした風味がぐっとくる。でも、苦みがこのワインにはしっかりあるのである程度は糖度に耐えられる感じはある。飲みなれると、殺虫剤の風味がプラムや杉に翻訳できるかもだけど、やっぱり殺虫剤の第一印象を消すには至らず、ううむと考え込んでしまう感はあった。
 
※二日目は殺虫剤っぽさが薄れてまあまあ普通に飲めるようになった。が、なんだかふつーのワインというか,印象が薄かった。