北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2053】Chateau Phelan Segur 1998

シャトーフェランセギュール 2016
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 ボルドーの良い品を飲む機会はほとんどなくて、というのも長く寝かせるのが大変だから。で、今回、20世紀のボルドーに久しぶりに遭遇することになった。ものはサンテステフの品。
 
 グラスに注ぐと、黒々として不透明、すごく黒っぽい。やはりカベルネはこういう色合いじゃないと!といわんばかりの。で、香りはもうメチャクチャにやばくて香料系が来る。ブルゴーニュの高級ワインにありがちな化粧箱のような香りでなく、京都の香料屋で出される動物系も少し混ぜた合成香料系のようなやつがもうもうと立ち込めてテンションがあがる。で、口をつければ果実が生き生きとしていてまだまだ現役。酸味はもちろんあるのだけど酸っぱい、と嫌に感じられるでなく口当たりは良好、タンニンもほどよくこなれている。びっくりしながら飲んでいるうちに、爆発的に果実味が炸裂する瞬間や血のような雄々しさを伴う瞬間もあり、香り良し、変化良し、味良しと三拍子揃ったボルドーだった。これだけ優れたボルドーと毎回出くわせるならボルドーを集めるけれど、なかなか難しいところではある。