北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1069】Dealv Mare Clos Buzao Pinot Noir Reserve 2011

 
[2011] クロ・ビュザオ ピノ・ノワール(ルーマニア・デアルマーレ)
 
 このワインはルーマニアでつくられたピノ・ノワール種のワインとのこと。フランスを旧世界ワインの中心地としてみるなら、ルーマニアなんて相当な辺境に思えるけれど、それだけに、どんなワインなのか楽しみ。価格もかなり安かったけれど、物価が安そうなので期待したいところ。
 
 見た目は、なんだかもの凄く濃い赤紫色で不透明感が漂っていて、これだけ見ると全くピノ・ノワールに見えない。匂いはあまり漂っておらず、ぱっとしない感じ。
 
 で、口に入れてみると、……意外なほどあっさりしていて、甘酸っぱさとは無縁。少し草っぽい風味が漂っていて非常に軽いボディで、苦みがあるため、なんだかカベルネフランの安物が一番近い感じで、これがピノ・ノワールとは絶対に想像できなさそう。舌触りが非常に滑らかで、むしろランブルスコの辛口にありそうな、ヨーグルトめいた風味も伴っている。酸味の内実も、果実味由来の酸味っていうより、このヨーグルト風味に付随した酸味みたいな穏やかな感じで、妙に好感が持てる。
 
 これ、まずくないんじゃないでしょうか。ピノ・ノワールとしては実にヘンテコなワインだけど、非常に穏やかで、軽やかで、呑んでいて嫌な気分になるようなワインじゃない。でもって、暫くすると、甘みもうっすら感じられて、果実味が新鮮そうな姿を露わにしてきて実に旨く、控えめな主張がまた嬉しい。なによりすごく好みのテイストだ!もし、普段呑みワインを10種類ぐらいに指定しなければならないとしたら、これは候補の一つになるかもしれない。それぐらい気に入ったし、何より安い。あんまり甘くないし、果実味も足りないけれど、それを補って余りある美質を持っているように感じた。 
 
 ※翌日は、少し果実味の新鮮さが減って酸味が勝ってしまい、万全のバランスは失われた。いや、それでもヨーグルトな感覚は強くて、まだまだいける。最後まで楽しめた。