マッツェイ ジゾラ 2017
このワインは、トスカーナで美味いキアンティクラシコやスーパータスカンを作っているマッツェイ家(フォンテルートリの名前で作るキアンティクラシコが我が家の定番)がシチリアで作るようになった、ジゾラという名前のワイン。
グラスに注いでみると、見た目は中庸な赤ワイン。暗すぎず、明るすぎず、青側にもオレンジ側にもカラースペクトルが偏る感じじゃない。香りは、梅系のお線香をツーンとにおわせるようなタイプ。かなり鋭い香りだ。そこに、ほんのりニスのような揮発臭が混じっている。
口に運んでみると、ものすごくジューシーなやつがわっと押し寄せてくる。クリーミーとか、落ち着いたとかではなく、果実味最優先のテイストで、後味の段になって口の中にタンニンがふっさりと残る。香りも味も、梅系果実が大爆発といった感じで、クズマーノの上位ネロダヴォラとは方向性が違う。でもって、マッツェイ家のキアンティクラシコに共通するところがある:つまり品種ならではの香りを持ちつつ、口に運ぶと果実味が真っ向勝負で向かってくるところなんかは、フォンテルートリのキアンティ・クラシコのシチリア-ネロダヴォラ版といった趣がある。