北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2094】Cusumano Benuara 2017

 
ベヌアーラ 2017 クズマーノ
 
今日のワインは、シチリアのワインメーカーとしては(2020年現在)いちばんなじみ深いクズマーノのもの。土着品種であるネロダヴォラに少しシラーを混ぜたという風変わりな品。もちろん飲んだことはない。
 
グラスに注いでみると、もう黒いワインと言って良いほど真っ黒、不透明なものすごい濃さ。ワインのあしがとても長く、粘性度が高そうにみえる。液面近くでも色の薄さがない。すっごい濃い見た目だ。香りは、紫色のお線香な香りだ!甘さや果実よりも、強烈に梅系線香みがある。スパイシーでもあり、ちょっとローヌっぽくもあるけれども、ローヌにありがちな肉・ベーコン系の香りは伴っていない。森っぽさはあるかもだけど梅系線香の前にかすんでいる。
 
口に運ぶと、アタックはなめらかながら、そこから梅系線香のフレーバーが鼻腔にぶわーっと吹き抜けていく。舌の上をすっぱい果実味が流れていくのだけどこれが滑らか。ここまで来ると、梅系だけでなく、違った系統の香料の香りも流れてくる。嫁さんは「甘味があって、後味はあまりない」と述べていたけど、実際、甘味は結構ありそうだけどフレーバーの強さのほうが目立つと感じる。飲み進めるとシラーの強さが際立ってきて、ますます鼻息の荒いワインになってきた。これは同社の他のネロダヴォラとは別の顔。強いワインだ。