北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2383】La Torraccia Di Presura "Il Tarocco" Chianti Classico 2017

 
ラ トラッチャ ディ プレズーラ キャンティ クラシコ イル タロッコ 赤ワイン イタリア 2019
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、名前も知らないメーカーのあまり高くないキアンティクラシコ。ただ、このボトルは今年の夏、廊下にほったらかしにされて、今年の秋、冷蔵庫のなかで過ごし続けてきたかわいそうなやつ。飲もうと思うたびに白ワインやら何やらに邪魔されて、良くないコンディションを甘んじてきた。冷蔵庫をあけるたび、申し訳ない気持ちになっていたので抜栓。
 
まず見た目。なんとも黒々としている。光に透かしてもなかなか透過しないぐらい。香りは、典型的なキアンティクラシコのスミレ~軟膏系の例のにおいがぷんぷんする。その奥から、サンジョベーゼ種らしいちょっと甘味を帯びた一種独特の果実の香りと、今回はちょっと若いトマトの香りがする。
 
口に運ぶと、これは結構いけてるぞ! 初手からスミレの香りとサンジョベーゼのじゃぶじゃぶ果実味が全開なのだけど、ビシっと背筋のある苦みと国際品種を思わせる墨汁っぽさを伴っている。やたら甘い感じがするでもなく、なかなかに硬派なキアンティクラシコだ。有名どころだとフォンテルートリのキアンティクラシコを連想する。あれをもう少し国際品種っぽくしたらこうなるんじゃないだろうか。トスカニーのサイトに行ってセパージュを確認すると、国際品種は使われていなくて、全部サンジョベーゼ種で作られているとのこと。そうなんだ、でもこれはしっかりしたキアンティクラシコですよ! クラシコのつかないキアンティとは一線を画した、より格上の、有名どころのキアンティクラシコを思い起こさせる品でお買い得と感じた。
 
※翌日は、もう少し果実味がジャム寄りになった。とはいえ硬派なスタイルは変わらず、相変わらずキアンティクラシコらしいスミレ~軟膏系の香りも健在。してみれば、結構良いワインだったんじゃないかと思う。