北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2106】Rayane et Pascal Bouley Volnay Premier Cru Clos des Chenes 2010

 
ヴォルネイ プルミエ クリュ クロ デ シェーヌ [2010] レイヤンヌ エ パスカル ブレ
 
このワインは、見たことも聞いたこともないヴォルネの作り手が手掛けた、ヴォルネ一級クロ・デ・シエーヌ。ヴィンテージは評判の良い2010、熟成のきわみにあって欲しいと思いつつの抜栓。
 
まず、見た目チェック。赤ワインとしてはかなり薄い部類で、グラスの辺縁がとっても薄い。わずかにオレンジ色がかっていて朱色のニュアンスがある。ブルゴーニュの赤ワインのなかでも、ヴォルネらしい薄色系だ。香りは初手からすばらしい。高級チョコレートを隣で溶かしているような香りに加え、このワインは腐った森の切り株みたいな、単に森っぽいだけでなく、腐葉土ーマッシュルーム系の香りが強烈に香り立ってくる。ワインとしては最も好みの部類の香りだ、興奮してくる。
 
口に含めると、おっそろしく軽い!天使の羽のようなヴォルネ!それでいて口のなかはチョコレートの風味と赤系果実でいっぱい。あと夕張メロン系の熟成香もそこそこに伴っていて彩りを添える。梅干しっぽさ、案外とコクのような要素もある。めちゃくちゃ軽いワインなのにコクがあるのはありがたい兆候だと思う。というか、かりにも一級なのだから、そうであって欲しいとは願うけれども、そうじゃない一級もしばしばあるし、ヴィンテージによってはもうどうしようもない感じだし。
 
より高級なブルゴーニュに比べた場合、いわゆる貫禄や謹厳さといったものは足りないかもだけど、複雑さ、豪華さ、愛嬌たっぷり度でいえば上位のブルゴーニュに迫るものがある。でもって、このワインは非常にヴォルネらしいというか、軽やかで華があって最高。いつぞや飲んでスカだったコント・ラフォンのヴォルネ一級サントノ2011よりもよほど好みだ。このワイン飲みながらアニメ見ようと思っていたけれども、そういう気持ちがなくなった。今夜はこのワインとにらめっこ。
 
※二日目は、少しワインの複雑さが弱くなってしまった。全部とは言わないけれども多くのヴォルネ一級は、初日のほうが華やかな気がする。このワインは価格を考えると非常によくできているけれども、飲むなら初日に、ワインのわかる友人と一緒に、がいいような気がする。