北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2310】Comtes Lafon Volnay Santenots du Milieu 2009

 
コント ラフォン ヴォルネイ プルミエ クリュ サントノ デュ ミリュ 2015
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、コント・ラフォンが手掛けている赤ワインである、ヴォルネ・サントノ。以前から時々飲んでいるけれども、直近で飲んだ2011年モノは購入経路が怪しく、2011年で、中身がかき氷みたいに水っぽくてたいしてうまくなかった。今回は広島のリカーショップヒラオカさんのところで買った2009年モノなので滅多なことはないはず。一か月ほどボトルを立てて待機したうえで挑戦してみることにした。
 
まずコルク抜栓。今回のコルクは実に堂々としたもので、コルク裏面も綺麗な深い紫色をしている。液面は適度な濃さのピノ・ノワール。香りは初手から甘い、黒系果実を連想させる芳香があたりにぶわっと広がる感じ。
 
口に運んでみると、黒系果実の香りにふさわしい味が、ジャミーと言って良いほどの密度で来て、酸味の裏にコーヒー系のコクが伴う。もう少し違った向きだと、ジュヴレ・シャンベルタンやクロ・ド・ラ・ロシュみたいなテナー系の雰囲気になるのだけど、そこまで偉そうな雰囲気ではない。ヴォルネとしてはかなり膂力がある感じ。でもって、それから30分ほどは渋みだけで味の乏しい、すんごく閉じて堅いワインになってしまった!香りもぜんぜんしないぞ! えらいことになった、と一時間ほど放置してから再開。だんだん黒系果実が戻ってきて、飲み心地が強まってきた。しかしこれは力強い。たとえば2001年の同じ銘柄と比較すると、良くも悪くも果実味が目立ち、ヴォルネよりも北(コート・ド・ニュイ)のピノ・ノワールなんじゃないのと言いたくなる雰囲気がある。ところが一時間以上経過すると、煮豆、イチゴのかき氷、べっこう飴あたりが虹のように現れる面白いワインになってきた。石灰岩か大理石かわからない、石っぽさも帯びている。うひゃー、これは旨い、面白い。そして過去に飲んだ同じ銘柄の事々が一気に思い出されてきた。2時間目あたりから、新緑の季節に木の枝を引きちぎったような精気も宿る。でもまだ早飲みの気配。熟成はまだ先か。ううむ、息の長いやつだ。まだ2015が残っているので、そっちは思いっきり寝かせてから飲もうと決意を新たにした。
 
※二日目。ちょっと米っぽいニュアンスが宿っているかも。
※三日目。酸味は増えず、なんだか円やかな口当たりになり、重厚、というより軽快な感じになった。こっちのほうがヴォルネっぽいと感じる(サントノは厳密にはヴォルネの例外ではあるけれど)。この三日目の姿が個人的にはお気に入り。