北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

ワインの記録が2400回を超えた

 

 
ワインを意識的に飲むようになって14年ほど。そうこうするうちに世界のワイン相場は変わり、世界のなかの日本の位置づけ、日本の国力も変わった。21世紀からこのかた、世界は確かに変わり続けていた。けれどもコロナ禍から変化のスピードが急激すぎてついていけない感じがする。それは、ワインを飲む・買うという道楽の次元にさえ当てはまると思う。
 
ワインを飲む日本人にとって、昨今は厳しい。世界的にワインの需要、特にプレステージを体現するワインの需要が高まり、しかも日本円がどんどん値下がりしているため、日本人がワインを買うのが難しくなってしまった。高ければ高いほど、その難易度の上昇は激しい。ボルドーメドック格付け一級や、イタリアを代表するサッシカイアのような銘柄でもそれは感じられるけれども、ブルゴーニュシャンパーニュの一流どころの価格上昇はめまいがするほどだ。ブルゴーニュの高騰は今に始まったものではないので通常運転っぽさがあるけど、今年はシャンパーニュの値上がりが気になった。いったんコロナ禍で価格が抑制されていた反動か、一気に倍ぐらいになったんじゃないだろうか。ヴーヴ・クリコやモエ・エ・シャンドンといった、たくさん作っているシャンパンメーカーの裾物が、1本一万円に届くような価格になっている。このブログを書くよりもっと前、2003年頃にはそれらのシャンパンは2000円台で、もっと気軽に抜栓できるものだった。今は違う。もともと我が家はシャンパーニュの追求に消極的だったけど、買う気がすっかり萎えてしまった。シャンパーニュはアガるけど、ワインのなかでも刹那的な度合いが高い。だから値上がりしてしまうと、ある種の割り切りが要る。
 
これからのワイン道楽はどうすればいいだろう?
いろんな考え方があろうけれど、とりあえず、飲むのを減らそうと思う。今までと同じペースを保つのは財布にやさしくないし、自分の身体にもやさしくない。それから軒下にもうけたスペース、若干の温度変化はあるけれどもほぼ涼しい状態が続く環境に、あまり繊細ではなさそうなワインを寝かせることにした。ここに寝かせるのは、ブルネッロやバルバレスコといったイタリア系、丈夫そうなローヌ系の中堅、そしてカベルネソーヴィニヨンやメルローでつくられた中堅どころのワインたちだ。それらのワインで覆われた内側に、少し丈夫なタイプの、痛んでもまあいいかといった感じのブルゴーニュ赤ワインも混ぜて。でもって、それらをコンテナ状のユニットにまとめ、数年後に開封する予定で封印した。そんなに高価なワインではないけれども、熟成させれば一定の性能を叩き出してくれるはずだ。そういうワインを未来に向かって封印した。
 
もう、超有名どころのブルゴーニュシャンパーニュのワインを買い続けるのはやめよう、買い続けていては財布がもたない。今まで培ってきたワインの知識に基づいて、内実があって値段が安く、自宅環境で取り扱えそうなワインを取り扱ってみようと思う。そう思ってみると、ローヌや新世界の中堅どころ、それとドイツに未知の世界がまだまだあると気づく。そのあたりをどう学びなおして、どう買って、早飲みしすぎず付き合っていくかが、次回、2500回までの我慢のしどころだ。