北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2447】Chateau Lanessan 2019

 
シャトーラネッサン 2019
 
 しばらくブラインドテイスティングの練習をやっていなかったので、久しぶりに三択ブラインドテイスティングをやってみることにした。今回、三択候補として準備したのは、
 
 1.シャトーラネッサン2019 (フランス、ボルドー
 2.シャトーペスキエ"カンテサンス" 2018 (フランス、ローヌ)
 3.モンティゴーリ アマローネ 2018 (イタリア、ヴェネト州)
 
 の三つの赤ワイン。どれもおいしそうだけど、この場合どれも早飲みに相当し、初手ではあまり実力を発揮できないコンディションから離陸するだろう。じゃ、それが当てられるかってのが今回のお題だ。
 
 で、台所の影で抜栓してもらい、グラスに出してもらった謎の液体。……かなり濃いな、赤くて暗くて光の透過性がすごく低い。ワインの「あし」もすごく長くて、これがベトベトした液体であることが想像される。ということは、シャトーラネッサンは違うんじゃないか。あれは行儀の良いボルドーだし、そんなに濃いワインではなかったはずだから。では香りは?
 
 香りを確かめる。なんと化粧箱のような甘い香りが主体だ。梅やプラムを思わせる香りがちっとも来ない。なんだなんだ?カベルネソーヴィニヨンにありそうな杉・ヒノキ系の香りや煙突風味も来ないし、梅っぽさ、ベーコンっぽさも来ない。じゃあ、一体なんなんだ? おそるおそる口をつけると、なんとも上品な舌触りで、苦みやタンニンも穏やか。酸味も中庸。ここで、ラネッサンのことを思い出せば良かったのだけど、見た目から、アマローネかカンテサンスの二択だと思い込んでしまっていた。で、どちらが上品なつくりの可能性があるかといったら、無名のアマローネか定評あるペスキエのカンテサンスかといったら、カンテサンスでしょう。アマローネにありがちな苦みが乏しいことも根拠になる。じゃあ、これはきっとカンテサンス!
 
ボトルをみせてもらって……残念! なんと、ラネッサンは、ボルドーの中堅ワインはこんなに濃いのか?上品なのか? そうして改めて飲んでみれば、なるほど舌ざわりなどはボルドーめいて感じられるけれども、しっかりと濃い口で、果実味もしっかりしていて酸味もそれなりしっかりしている。うーん、やられた。初手でボルドーを切って二択にしてしまったのがいけなかった。もう一度選択肢として考えておくべきだった。反省。でも、めちゃくちゃ面白かった。
 
※翌日は酸味が少し立ってきた感じになってきた。上品なお化粧っぽい香りも飛んでしまった。飲み終わってみると、ボトルの底におりがたくさんあった。2019でこんなにおりがあるのは、なんだかいただけないなー。今回のボトルは結構安い値段で入手したものだから、保存コンディションに問題があった可能性も想像される。