北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2448】Capitain Gagnerot Bourgogne Pinot Noir 2019

 
[2019] ブルゴーニュ ルージュ キャピタン ガニュロ
 
このワインは、以前にラドワなどを飲んで即飲みに向いていると想像された、キャピタン・ガニュロというマイナーな作り手の平格ブルゴーニュ赤。平格って、肩ひじの張ったクオリティを求めない限りはおいしいことが多いし、特に今では作り手の様子をみるのに一番いいライン。ラーメン屋でいえば、ただのラーメンみたいなものだ。良年2019の品が手に入ったのでやってみることにした。
 
まず見た目。濃いかなと思いきや、これは案外薄くて朱色っぽさがある。先日の、コノ・スルのチリ産ピノ・ノワールと比べて、あまり違いが連想されない(グラスを並べてしまえばまた違うのかもしれないけれども)。香りは、こちらもそれなり梅干しみたいな香りがするじゃないか。しかしこちらはアセロラのような淡い果実の香りとお化粧のような香り、というよりデパートの一階のような香りを伴っていて、なんだかちょっと偉そうな雰囲気だ。幾らか森っぽさを伴っているのもいい。
 
口に運んでみると、アセロラ的な赤系果実の甘さと一定の苦みとコクがあり、意外にもコノ・スルのピノ・ノワールとの共通点が感じられる。とはいえタンニンはこちらのほうが軽く、ワイン全体が滑らか、コーヒー的なコクをゴリ押ししてくるようなところがない。もっと高級なピノ・ノワールと比較すれば今度はこちらが粗く感じられるのだろうけれど、少なくとも先日のあれよりはきめが細かく、グラスを口に運ぶたび鼻先をよぎる化粧系・森系の香りも似つかわしい。それでいて酸味がチャーミングなのだから、やっぱりブルゴーニュ赤はいいよねとなる。こういうの飲むと、再びブルゴーニュ赤たちと連戦し、あっちがこうだ、こっちがこうだと飲み比べをやりたくなってしまう。
 
※翌日は、ちょっとコーヒー的なニュアンスを残しながらも、明るい果実味優位な飲み心地でするする飲める感じだ。10年以上前の、たいしたこのとのないコート・ド・ボーヌ系村名格ワインってこんな感じじゃなかったかな、などと飲みながら思った。うまかったです。