北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1473】Chevalier de Caylus Pinot Noir 2014

 
シュヴァリエ・ド・カイユス ピノ・ノワール
 
 このワインは南フランス産の Pays d'Oc 規格らしく、だから自由につくられているとおぼしきワイン。おおらかで果実味豊かな方面だとありがたいと期待しつつ抜栓。
 
 まずグラスに注いでみると、おいおい、ボジョレーかよというほど青紫がかった色調で、かなり暗く不透明。なるほど南フランスっぽい雰囲気だ。香りは、カシス系統の黒っぽい果実の香りがしてうまそう。ミルキーな味を予感させる、ブルーベリー飲むヨーグルト系の香りもする。
 
 口に含んでみると、少し苦みと渋みが口のなかにひろがり、そこから飲むヨーグルト系の甘酸っぱさがきた。一口目はちょっと苦みが強くてキツいと感じる。果実味のボリュームはかなりしっかりしていて豊満、ほとんどの平格ブルゴーニュよりも飲み応えがあり、「ブルボディのピノ・ノワール」と言いたくなるような雰囲気。ブルゴーニュ系を度外視して考えるなら、とてもおいしい飲み物だった。
 
 ※二日目は少し酸味が勝って険しくなったと思う。すぐ飲めるタイプだったのかなと。
 

【1472】Vadiaperti Fiano di Avellino 2013

 

 
 今日の夕食はカルボナーラとお魚のフライ。こういう食事にあわせるワインが無いものか漁ったところ、目に留まったのがニュージーランド産のリースリング。でも、いくらなんでも、リースリングなんて合わないでしょうと思い、急遽、カンパーニャ産の白ワインに変更。これならびくともしないでしょう。
 
 抜栓。うわ、色が黄色い!黄金色といえば黄金色だけど、フィアーノってこんな色じゃなかった気がする。正直、「逝っている」ようにもみえる。ただ、香りのほうは楽しみで、蜂蜜クッキーのような香りと、その奥から新鮮な花のような香りが漂ってきて、そんなにヤバいことにはなっていないような。
 
 口に運んでみると……うーん……ものすごくグリセリンが効いているけれども酸味が乏しい。それより木とか樽とかの風味が優勢。なんだこりゃ。タニックですらある。ただ、しばらく噛みしめるとフィアーノらしいゴワッとした酸味がやってきて安堵。ふくよかな口当たりとおおらかな果実味で、カンパーニャ州のワインとしては異例なほど「ムルソーっぽい」。まずくはないけれども、なんとも不思議なワインではある。そして微妙に居心地が悪いというか、落ち着かないものが感じられて痛んでいるんじゃないかなーと思った。
 
 ※翌日。酸味がさらに弱くなって香りが完全に死んでしまった。ということは、昨日の状態は痛んでいたワインが最後に頑張ってくれた状態だったのかもしれない。これはメーカーの特徴じゃないと思っておこう。
 

【1472】Domaine Chateau de Meaursault Beaune Premier Cru 2010

 
シャトー・ド・ムルソー ボーヌ一級
 
 このワインは、シャトー・ド・ムルソーが創ったボーヌ一級。格安価格で手に入れたけれども、ボーヌならあまり心配せずに気楽に飲めばいいんじゃないかと思って抜栓。凄さは微塵も期待せず、ただ、飲んで楽しいワインであることを祈願しながらの抜栓。
 
 まず見た目は透明感のある薄めのワインレッド、まさにブルゴーニュのピノ・ノワールと言うような。香りはサクランボ果実系の香りが来るけれどもそれほど強くもなく、割と平凡。獣っぽい香りは初手では来ない。
 
 口に入れると、少し和菓子のような風味を伴ったサクランボ風味。酸味はほどほどながら、噛みしめるほどの果実味があるわけではなく、これまたえらく普通な飲み心地。苦みや渋みも平均的で、特徴が無いのが特徴と言わんばかりの調子。ただ、サクランボの香りと味、軽妙なボディとしっかりとした酸味はさすがといったところ。値段を考えれば妥当、ボーヌ一級畑という産地を考えるとちょっと物足りない、そんなスタートを切った。
 
 ※二日目。果実味がグッと増してボーヌのワインらしい姿に変貌した。ってことは早飲みだったということか。でもボーヌの一級を初日はぐっと堪えて二日目にドカンと飲むって難しい。でもワインが悪いんじゃなくて自分が悪いんでしょう。二日目はおいしくいただきました。
 

【1471】Cantine di Ora Lambrusco dell Emilia Rosso Amabile (N.V.)

  
www.vivino.com
 
 見た目は、赤ワインとしては非常に薄く、光の透過性がかなり高い。ただ、ブルゴーニュのガーネット色っぽい感じではなく、もっと紫色に寄った、青色っぽいスペクトルが混じってみえる。香りはほとんどわからず、微発泡。
 
 口に含むと、甘酸っぱい……というより甘い味が口に広がる。後に酸味がそれなりついてくるのでなんとかなるけれども、甘ったるくはある。あれだ、昔の田舎のお菓子屋がつくっていたバタークッキーのケーキの上に載っているサクランボの菓子、あれに近いチープな甘味がある。それとほんの少し、ブドウジュースにありがちな生臭い風味が混じっている。タンニンは少なめで、赤ワインの風味が苦手な人でもいけそうではある。あと、よく噛みしめるとニッキみたいな風味もあるかもしれない。
 
 ただ、価格を考えれば価格相応のランブルスコで、文句を言うのは筋違いかもしれない。ランブルスコって安いワインってイメージはあるけれども、もっとできの良いランブルスコは1000円ぐらいは出さないと難しそう。安スパークリングワインってジャンルのなかでは、安値に手を出すと危ない種類かもしれない。
 

【1470】Domaine Rochette Morgon Cote du Py 2013

 
Rochette Morgon Cote du Py
 
 このワインはクリュ・ボジョレーのモルゴンだけど、2013年産というバッドヴィンテージなので、まだ若くても案外すぐ飲めるんじゃないかと思って購入したもの。あまり凄く無くていいので、心のなごむような品だといいなぁ。
 
 まず見た目。ちょっと不透明で、少し青みがかった紫色。香りは、ボジョレー(ガメイ)系の和菓子のようなほっこりした香りと、鋭い酸味を予感させるツンとした果実味が伝わってくる。まだボトルが冷え気味だからか、ちょっと弱い香り。
 
 口に運んでみると、初手は酸味を感じさせるきっつい風味を感じかけたけれども、そこから飲むヨーグルトのブルーベリー味のような乳製品じみた風味に変わって、やけに柔和な飲み心地。ランブルスコをスティルワインとして進化させたような感じかも。スペインのスパークリングワインのカヴァにあるような、微妙に金属っぽい口当たりが残っているような気がして良し悪し。
 
 ※二日目は、口当たりが少しザラっとした感じになって、和菓子のような風味が強くなったと思う。二日目のほうがおいしい。
 

【1469】Vina Belje Grasevina 2015

 
vinica.me
 
 寒くなって白ワインを避けたくなったけれども、今日は久しぶりに安い白ワインが欲しくなった。これは、クロアチア産の土着品種を使ったワイン。
 
 まず見た目は、ものすごく薄い白ワイン色。かなり安っぽい。で、ワインの香りは最初は白桃缶詰みたいな良い香りがして、その後にメロン系が。なんとなく、暖かい地方で育ったソーヴィニオンブランに近いと感じる。
 
 口に入れるとやっぱりそれに近い感じ。今度は黄桃のような甘味と、シャルドネなんかよりもずっとさっぱりとした爽やかな酸味。ハーブのような香りは柔らかく、普通のソーヴィニオンブランの苦手なところがあまりみられない。全体的にフルーティーで人懐っこいワインと感じられる。ボディも大きすぎず痩せすぎずちょうど良い。デイリーワインとしては出色の出来では。シャルドネ系ではなく、ソーヴィニオンブラン系として評価する限り、これで800円ちょっとはお買い得だったと思う。
 
 ※二日目は、安物のソーヴィニヨンブランみたいな風味になって少し弱くなった。初日のほうがうまかった。