北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0432】Vie Di Romans Flors di Uis 2009

 
フロールス・ディ・ウイス[2009]ヴィエ・ディ・ロマンス
 
 今日の夕食は、ゆずペペロンチーノにアンデスメロン特盛という謎の内容。これに、過去に呑んだ時にはもてあまし気味だった、フリウリ・ヴェネチア-ジューリア州の白ワインをぶつけてみることにした。わけのわからないブレンドワインにして、アルコール度14.5%というやつ。
 
 色は少し緑色がかったそこそこ濃い白ワイン色。なかなか綺麗な感じ。匂いをかぐと、意外なほど甘くて蜂蜜っぽい、シャルドネっぽい匂いがする。でも、シャルドネなんて入ってないのでは。フリウラーノ・リボッラジャッラ・リースリングを含んでいる筈*1だけど、そういった品種を連想するようなものはぜんぜん感じない。
 
 ただ、口をつけるとやっぱり風変わりで、苦味成分のなかに、生姜や花梨を連想させる辛いニュアンスが含まれている。鉱質がたっぷりあって背筋のしっかりしたつくりで、酸味は勿論体感されるにせよ、鉱質風味/生姜花梨系スパイシーのほうが目立つ。以後、匂いが非常に鋭くて風変わりなハーブ・生姜・球根系植物を思わせるような素敵フレーバーに変わり、最初の蜂蜜っぽい印象よりも強まってきた。なんだかオイリーな揮発性も伴っているし、蜂蜜っぽさが無くなってしまったわけでもなく、嗅覚的にも味覚的にもかなりややこしい。そのうえアルコール度数の高さと鉱質風味の強さのためかガッシリした印象を受ける。大柄な雰囲気と繊細な楽しみが両立しているような。
 
 さらに慣れてくると、生姜と花梨に加えて山椒のような東洋風の香辛料を連想させる風味が一層強くなって、もっともっと面白い飲み物になってくれた。嫁はこのワインを「糠漬けっぽい」と評していたけど、そういう感じもするかもしれない。前回のボトルは(クーラーボックスの中とはいえ)300km以上を旅して外のお店に持ち込んだせいか今ひとつだったけど、今回はすごくいけている。やや高い価格帯ながら、それを払っても余りあるエキサイティングな一本だった。
 
 ※翌日、残り1/3を呑んでみると、僅かに鉱質風味が弱くなったものの、匂いに占める花梨のようなフレーバーがさらに強まって、ユニークで気品の漂う素敵な雰囲気に。やっぱり面白いワインだ!こいつはアルコール度数も高いので、二日以上かけてゆっくり楽しむのがよさげ。
 

*1:追記:調べたらリボッラジャッラは入ってなくてマルヴァジアが入っているらしい