ポデーレ”モンテプルチアーノ・ダブルッツォ
我が家で「原点のワイン」というと、ボルドーやブルゴーニュよりもイタリアの安い赤白ワインのほうが馴染み深い気がする。モンテプルチャーノ・ダブルッツォはその最たるもので、鶏飯、ハムチーズフライ、蜆汁、豚肉のみそ焼きといったどうでもいい夕食のお供に採用した。
グラスに注ぐと、予想以上に黒っぽくて不透明。そこらの新世界赤ワインといい勝負をしているぐらいに暗い。で、少し青紫色がかっているあたりが、このジャンルらしい感じ。香りは、初手では線香~スミレっぽい、こう書くとキアンティ系と紛らわしそうだけど実際に嗅いでみるとぜんぜん違う、むしろガルナッチャ主体のワインに近いようなちょっと神妙な香りがしてくる。
でも、口をつけると「ザ・葡萄酒」というみずみずしい果実味抜群の風味。甘みやふくらみよりも、酸味と柔らかなタンニンの勝った、とにかくフレッシュな赤葡萄酒だ!ごくごくわずか、生臭さがあるような気がするけれども気になるような水準ではない。もとより変化を楽しむワインではなく、シンプルだけど爽やかに旨くて、これはこれで良いのでは。さすがウマニ・ロンキ、安物の旨さがバッチリ。