北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1498】Louis Jadot Ladoix 2013

 
ルイ・ジャド ラドワ 2013
 
 マイナーで、安くて、一応、ブルゴーニュヒエラルキーのなかでは「村名格」だけれど、どう考えても他の有名な村名におよぶとは思えないラドワ。今回、ブルゴーニュでは大手のルイ・ジャドのラドワという、見たこともないものを発見したので買ってみた。もちろんお値段は平格並み。
 
 まず見た目。グラスに注ぐ段階では少し青色がかっているような気がしたけれど、注いでみると、まずまず標準的なブルゴーニュ色をしている。透明感があってルビー色に輝いている。香りは、ちょっとチョコレートっぽい香りと革のような香りがたちこめていて、果実の香りはその奥からほんのり、といった調子。
 
 口に入れてみると、まずチョコレートっぽいしっかりとしたコクがあったけれども、その後ろに膨大な甘酸っぱさが控えていて、後味になればなるほどじわじわーっと甘酸っぱさがせり上がってくる。タンニンはそんなにキツくないけれども、コクを構成する一要素としてうまくワインにマッチしていると思う。甘みは控えめながら、意識されないほど弱くもない。というより、甘みが控えめなこととコクとタンニンのおかげで、ブルゴーニュの赤としては非-享楽的で落ち着いた雰囲気と感じる。なんだろう、もっと有名な村名ワインから楽しさを引っこ抜いたような雰囲気というか。もちろん、まずいというほどでもないんだけど、ツンツンしていると感じる。ちょっと、寛げない。
 
 ※翌日は、もう少し果実味が籠もってきて、持ち前のコクも相まって、素朴ながら味わい深いワインになった。これはちょっと良い。コート・ドールに含まれない産地にもこういうタイプはいそうだけど(メルキュレとか)、このワインも結構な安物なので、価格を考えれば良かったと思う。
 

【1497】Santa Hellena Alpaca Sparkling Brut. (N.V.)

 
サンタ・ヘレナ・アルパカ・スパークリング・ブリュット
 
 一部の好事家の間で大絶賛の「けものフレンズ」に気を惹かれて、今日は、変なワインを買ってしまった。アルパカの絵が描かれた得体の知れないチリ産のスパークリングワイン。いわゆる「ジャケ買い」ってやつですね。
 
 まず見た目。白ワインとしては割とまっとうな色をしているけれども、泡立ちがかなり弱い。微炭酸、イタリアワインで言えば「フリツッァンテ」に分離されそうな、元気の無い泡立ち。香りは、青リンゴ系が僅かに感じられるかどうかといったところ。
 
 口に含んでみると、焼きリンゴのような強い甘さがギュッと来て、苦み、それから少し金属っぽいキンキンとした感覚を覚えた。じゅくじゅくとした果実味と焼きリンゴ風味で、たいていのスパークリングワインよりも潤いがあると感じる。ただ、金属っぽいキンキンとした風味のせいで、緊張感を帯びているようにも落ち着かない不穏な雰囲気を帯びているようにも感じられる。泡がショボくて寂しいけれども、味は十分に頑張っている部類だと思う。あとはこの金属っぽさを長所と捉えるか短所と捉えるか。長所と捉えるなら、このワインは「お買い得」だと思う。短所だと思うなら敬遠したほうがよさそう。自分は……
 

【1496】Fontanafredda Barbera d'Alba 2015

 
Fontanafredda Barbera d'Alba
 
 バルベーラってワイン品種はあんまり飲んだことがない。で、今回、ピエモンテ州の大手(「大手」って良い響きなのか悪い響きなのか微妙ですが)、フォンタナフレッダのバルベーラを手に入れたのでとりあえずでやってみることにした。
 
 まず、抜栓してグラスに注いだ段階で、葡萄ジュースから生臭さを取り除いたような素敵な香りが辺りに漂った。これはいい!鼻を近づけて香りを確かめると、いちごミルク、梅、葡萄ジュース、チョコレートの混じった、少し湿った雰囲気の香りがたっぷりと感じられる。これもいい!
 
 口に入れた第一印象は、きっつい酸味。バルベーラだからそれはアリでしょう。舌触りは意外となめらかで葡萄っぽさと梅っぽさが入り混じったなかなかの味わい。有名品種でいえばシラーをもっと滑らかに大人しくして、ちょっと良いガメイを足して2で割ったような感じ。甘みと果実味がしっかりして、厚みもあるので酸味が強くても痩せているとは全く感じさせない。「リッチ」とまではいかないけれども、なかなか。
 
 ※翌日は、少し痩せた雰囲気になってしまった。初日のほうがバランス良かったと思う。

 
 

 

【1495】Domaine Ste. Michelle Michelle Brut (N.V.)

 
ドメーヌ サン ミッシェル ブリュット
 
 夕食は、久しぶりに外でそれなりなイタリアンにて。生ハムやチーズの盛り合わせ、トマトとチーズのブルスケッタ、ピザマルゲリータ、牛肉のステーキ。さあワインをどうしようかとリストをみると、イタリアワインよりも新世界のワインのほうがお買い得っぽい値付けになっていたので、万能選手としてスパークリングワインを頼んでみた。
 
 まず見た目。割と白っぽくて淡泊な味を予想させる。泡はコモコモと沸いてきてなかなか綺麗、香りはシトラス系のさっぱりとした雰囲気で、トーストやらイーストやらをぷんぷん漂わせている系統ではない感じ。
 
 で、口に含むと、グレープフルーツを思わせる柑橘系の味がメイン。新世界のワインにしては軽い飲み心地で、香りに相応しい感じがする。おしの強さではなく繊細なタッチで、自分の知っているスパークリングワインとしてはクレマン・ド・ブルゴーニュやプロセッコ(それか真面目につくられたスプマンテ)あたりに近い。ごっついスパークリングワインを期待する人はがっかりかもだけど、軽い飲み心地を期待する人には結構良い選択肢かもしれない。
 

【1494】Stocco Friulano 2015

ストッコ フリウラーノ

 
 このワインは、イタリア北東部・フリウリ地区でつくられている土着品種・フリウラーノの品。ストッコというメーカーは、楽天のトスカニー以外は輸入していないっぽいワインだけど、フリウリにしては低価格で結構いけていた記憶が。前に呑んだのはだいぶ前で、2012年産2011年産がログのなかにあった。これは非常に若い2015年産。
 
 まずボトルのデザインが一新されていて、ちょっと恰好良くなっている。イタリアワインらしいデザインでもある。抜栓してグラスに注いでみると、ちょっと黄色っぽい色合い、黄金色とまではいかないけれども濃い部類にみえる。香りを確かめると、生姜や石灰岩やハッカを思わせるところと、蜂蜜の甘い香りがしっかり感じられる。あとはヨモギのような植物エキスの香り。なかなかおいしそう。
 
 口に含むと、本当の蜂蜜にありがちな粘っこいような甘さと、すがすがしい酸味が来た!しかもそれらがあまり分離していなくて、表裏一体と感じられる。それだけだと、ちょっと良いシャルドネっぽいんだけど、このワインには生姜やヨモギのようなフレーバーが鼻を抜けていくところがあり、有名な品種でいえばソーヴィニオンブランに近いような「軽い」ところがある。全体的に自分好みな感じに仕上がっていて、たぶんだけど品質も確かのように思う。
 
 ストッコ、この地域の安メーカーだと思って割と放置していたけれども今回飲んでちょっと見直した。他の品種もちょっと買って確かめてみよう。
 
 ※翌日。最初は少しバターっぽさが宿ってリッチな雰囲気に。その後、酸味が意識されるようになってもう少し軽くて爽やかな路線に転じた。飽きさせません。
 

【1493】Robert Mondavi TwinOaks Chardonnay 2014

 
ロバート・モンダヴィ ツインオークス シャルドネ
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 この安いカリフォルニアワインの見た目は、黄色がしっかりした感じでカリフォルニアワインとして矛盾しない。香りは、わざとらしいほどの樽。名前に恥じない、すごい風味。味わいも、ある程度の酸味はあるけれども、墨直に甘く大柄、そしてつきまとう樽の風味。飽きるとか飽きないとかを超越した、力まかせのワイン。今日の夕食のアジア風料理との相性は意外と良くて、うまく釣り合っていると感じた。半分飲んだせいか、飽きて困っちゃう事態を迎えずに翌日へ。
 
 ※翌日は、とにかくナッツ!とにかくバター!酸味はさらに引っ込んで大柄なワインに。欠点はあるにせよ、長所がそれを補っている。価格を考えれば善戦していると感じた。