北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1553】Domaine Maume Mazis-Chambertin 2007

 
モーム マジ・シャンベルタン
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 続いて、2007年のモームの特級。昔、2002年産を飲んだら良かった記憶があるけれども、それから長い歳月が経ち、もうあんまり覚えていない。けれども、こんな場面で再開できるとは。
 
 まず、色。2007年というヴィンテージにふさわしい、えらく薄くて明るい色。でもって、フェノール系化合物の香りがどんどこ吹き上げてきて、メロン系の雰囲気を伴っていると感じる。
 
 口に運んでみると、酸味が強く、ちょっと酸っぱい。ところが酸味が勝っているのに微妙に迫力がある。で、メロン風味が次第に強まってきて夕張メロンもかくやというような、熟れた雰囲気になってきた。とにかく香りが複雑で、甘く、熟成している感がある。2007年は弱ヴィンテージなことを考えると、このワイン、今まさに咲き誇っているのでは。ワインがそういう姿になっている晴れの姿に立ち会えるってえのはありがたい。またも、記憶に残る一本となった。
 

【1552】Harmand-Geoffroy Mazis-Chambertin 2009

 
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 ここまで3本の村名格と1本の一級があって、今度は特級。だからというわけでもなかろうけど、色は一番暗くて濃く、同じピノ・ノワールとは思えないほど黒っぽい液体。それでも、光にかざすとルビー色の輝きキラキラとしていて美しい。
 
 香りは、桐箪笥系のものもあるんだけど、こいつは胡椒のような風味を伴っているのが興味深い。ジュヴレ・シャンベルタン系で胡椒とな?
 
 口に入れてみると、果実味がドッカン。これまでのワインに比べると、力押ししている感じがある。口当たりはミルキーで、煮豆のような風味も強い。かと思えば、飲み進めると、さくらんぼのギュッとした甘酸っぱさが思い起こされる。全体的に、えらく楽しげな特級。次のワインが頑張っていたので影に隠れてしまった感はあるけれども、こいつはこいつで楽しいワインだった。
 

【1551】Domaine Jean-Michel Guillon et Fils La Petite Chapelle Gevery-Chambertin Premier Cru 2009

 
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 さて、次のワインは一級。「ぷちシャペル」の名前を持ったシャペルシャンベルタン近傍の畑で、これまたヴィンテージは2009。
 
 ほかの村名格のワイン達と比較すると、色は最も暗くて濃い。それでも、ピノにあるべき輝きみたいなものはちゃんとある。香りも、初手から桐箪笥の香りがますます強く、ちょっとばかり煮豆っぽいニュアンスも混じっている。さすがに一枚複雑だ。
  
 で、口をつければ、2009年産らしい、果実味がしっかりした仕上がり、いつ飲んでもおいしかろうというような。で、このワインは余韻が長い。今までのワインに比べて、喉の奥に向かって残る余韻が長く感じられる。より上級のワインが出てきた後も、こいつはバランスがとれていて良いと感じたので、良年ヴィンテージの品があればおさえておきたいなぁと思った。
 

【1550】Serafin Pere et Fils Gevrey-Chambertin Vieilles Vignes 2009

 
セラファン ジュヴレ・シャンベルタン
 
 
 続いて村名格3番手。セラファンの2009年産。
 
 まず、色はかなり暗くて「黒っぽい」と言って良いような。そして香りも、初手から桐箪笥系の、あのよくできたピノ・ノワールに期待したくなる風味が滾々とこみあげてくる。
 
 でもって、口に含むと果実味がしっかりしていて、タンニンよりも優勢、酸味もそんなに目立たず、至極快適、若呑みピノ・ノワールならこれでしょ、というようなぴちぴちとした雰囲気になっている。今の段階でも十分に楽しいけれど、まだまだ伸びしろがありそうなワインだ。それと、一人でボトル抱えて数時間お付き合いしたら面白そう。
 
 そういえば、このワインが出た頃に(濃い)白ワインが欲しくなるような一皿が来たんだけど、このワイン、意外と社交的で、皿に負けるでもなく、皿を威圧するでもなく、上手に付き合いやすかった。
 

【1549】Domaine Hubert Lignier Gevrey-Chambertin 2012

 
ユベール・リニエ ジュヴレ・シャンベルタン
 
 続いて、2012年の村名格。色は、こちらのほうが明るい色彩。前のドミニク・ローランと比べると、こちらは小豆かなにか、甘い豆を煮詰めて料理をつくった時に似たような香りが強いと感じられる。そのかわり、ジビエっぽさはあまり感じない。
 
 口に入れるとミルキーな舌ざわりで、人当たりがえらくいい。こちらは、若呑みの良さが素直に出てきているのでは、で、しばらくすると、桐箪笥のような、よくできたピノ・ノワールにはありがちな、あのトーンの高い、気持ちの良い香りが少しずつ漂ってきた。村名格でも、ちゃんと匂うんだなぁ。これは、結構好きな路線かも。
 

【1548】Dominique Laurent Gevrey-Chambertin Vieilles Vignes 1999

 
ドミニク・ローラン VV
 (※リンク先はヴィンテージが異なります)
 
 まず出てきたのは、ドミニク・ローランの村名格のジュヴレ・シャンベルタン。1999年なのでそこそこ熟成しているかと期待。
 
 まず見た目。意外と暗くて、グラスの辺縁にはほんのりと茶色が入っている。香りは、ローソクと甘酸っぱそうな果実が、はじめは弱めに匂ってくる。その後になって、獣系の匂いがどことなく入ってきて、森の下草っぽさも伴う。大柄な香りではないけれども、いろいろ取り揃えてあるような。
 
 で、口当たりは初手ではなめらかだったけど、タンニンがしっかりしている。ジビエ系の香りがだんだん強まってきて熟成している感はあるけれども、タンニンの影響か、あまりヘナヘナしていない。後から出てくる2012や2009の村名格ワインと比較することで、こいつがひとまわり熟成しているのがわかるけれども、まだまだお元気な様子だった。