北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1637】Bellini Chianti 2015

ベリーニ キアンティ 現行ヴィンテージ
 
 キアンティ・クラシコの下には無印のキアンティ(やその他色々)が控えているけれども、無印もときどき飲んでおいたほうがクラシコの良さがわかるかもと思い、大手がざぶざぶつくっている無印を買ってきた。どんなものでしょう。
 
 まず香り。すごーく葡萄酒っぽい香りがして、若干生臭くもあるけれどもそれもお似合い。スミレ-ヴァイオレット系の匂いよりも果実が前景。見た目はちょっと暗くて透明度があまりない赤茶色のワイン。
 
 口に入れると、まさに葡萄酒!もうとやかく言わせないフレッシュ果実、引っかかりどころが無く、ストレート。これ、白ワインを混ぜてある安キアンティなんじゃないか。飲みやすいけれども、やや単調。価格や格付けを考えれば致しかたのないライン。
 
 ※翌日は、ちょっと酸っぱさが勝っていよいよテーブルワイン然としてきた。ただ、押し付けがましいところが少ないのはこの価格帯のワインとして好感が持てるしイタリアワインの面目躍如。へたな気負いや厚化粧が感じられないのは、個人的には良いことだと思う。こんなワインで「国際的な」おいしさ追求されてもねえ。

【1636】Golan Heights Winery "Yarden" Galilee-Galilaa Chardonnay 2015

ゴランハイツワイナリー ヤルデン シャルドネ
 
 このワインは、夏ごろに呑んでコスパが非常に良いと感じたイスラエル産の白ワイン。前回記録によれば、爽やかさとリッチさのバランスがとれた品だった書かれている。さて、今回も期待にこたえてくれるか。
 
 白くてきれいなコルクを抜栓すると、山吹色の白ワインが出てきた。明るさも伴っていてなかなか綺麗。ねばねばしているのか、ワインのあしが長い。香りは、ローソク系の揮発臭がぷんぷんと来て、その下から蜂蜜クッキーがもわっとこみあげてくる。焼きリンゴのようなニュアンスもある。
 
 口に入れてみると、ふんわりとした甘さに包み込まれる。焼きリンゴと蜂蜜クッキーがメインなんだけど、ローソクコーティングがほどこされたような滑らかな口当たりと、それこそリンゴを思わせるような爽やかで軽やかな酸味を伴っている。驚いたことに、マッシュルームのような風味すら感じる。で、前回同様、石灰岩を連想させるようなスカッ!とした酸味が支配的になることもある。フルーツポンチのようなすごくフルーティーなことも、干しアンズみたいな生意気な風味が来ることもある。あと塩化ナトリウムな風味も。とにかく表情がたくさんあって楽しませてくれるし、作りも割と丁寧。これはやっぱりお買い得。クリスマスなので高いブルゴーニュシャンパンぶつけるつもりだったけど、これで良かった。とても楽しいワインだった。
 
 ※翌日も表情豊かで、アンデスメロンのような甘ったるい雰囲気も感じられて健在。やー、お得度が高いワインです。
 

【1635】Pieropan Soave Classico 2016

 
ピエロパン ソアーヴェクラシコ 2016
 
 このワインは、いつもいつもお世話になっているピエロパン社のソアーヴェクラシコ。飲んだ数は数知れず、直近では8月に呑んでいる。今回は冬のソアーヴェ、トマトパスタと一緒に。コルクが屑コルクではなく立派なコルクになっていた。どういうことだろう。
 
 まずはグラスに入れて検分。あいかわらず白ワインとしては薄めの色あい、少し緑色がかっているかもしれない。香りは、台所洗剤をもっとソフトにしたような香りがほんわりと漂い、今回は、ほんのり蜜の香りと、ブロッコリーを湯がいたような香りがする。
 
 口に運ぶと、実に口当たりがソフトで、シャルドネなんかとは全く違う。それでいて、後味にはしっかりとした酸が感じられて、それでいて酸の後味には温野菜のようなニュアンスがじーんと残る。やはり、このワインには水彩画にたとえたくなるような、滲んだおいしさがあるように思う。他国の品種でいえば、アルザスのシルヴァネールあたりが近いのかもだけど、デイリーなおいしさとしては抜群、いやされるところがある。ついつい飲んでしまって1/3しか明日に持ち越せないことに。飲み過ぎてしまったほう。
 
 ※翌日は少しブロッコリーっぽさが減って酸味が勝ったかも。初日にたくさんおいたのは正解だったかも。

【1634】Antinori Chianti Classico "Peppoli" 2015

 
アンティノリ ペポリ
 
 このワインは、トスカーナ州大手のアンティノリ社が作っているキアンティクラシコ。こいつを飲むのは今回が初めて。
 
 グラスに注ぐと、赤紫色のワインレッドで透明度はまずまず。ほんの少し、青みがかっているかもしれない。若飲みだからしかたないか。
 
 香りは、ほっこりとした煮豆系の匂いがこんもりと。葡萄らしい果実の香りもその後ろからやってきて、キアンティ系にありがちなスミレ系の匂いも。
 
 口に入れてみると、ちょっと硬い飲み心地かも。甘味は控え目で、煮豆風味が口のなかに入ってくる。血っぽい風味もあってなかなか骨太なワインだ。国際品種でも混ぜているのか、ちょっと埃っぽい香りがよぎることも。にも関わらず、どこか陽気な飲み心地で気持ち良く飲めてしまう。煮詰めたジャムのようなところもあって、とにかくパワーのあるキアンティ・クラシコ。これはこれで。
 
 ※二日目は口当たりがまろやかになり、森の切り株系のオーガニックな風味が全面に出てくるようになった。甘味は控え目でも果実味に充実感があり、飲み応えもある。それでいて愛想も良い。アンティノリのワインをちょっと見直した。
 
 ※三日目。若干酸味が勝っているが、ミルキーな飲み心地になったかも。オーガニックな風味も骨太な飲み応えも健在。最後までしっかり楽しめた。
 

【1633】Santero Pinot Chardonnay Spumante (N.V.)

 
サンテロ ピノ シャルドネ スプマンテ
 
 このワインは、イタリア安スパークリングワイン(スプマンテ)の代表的なもののひとつ。安くて流通も良いので飲んだことのある人も多いのでは。このワインログでは直近ではここで飲んでいる。
 
 まず見た目。安スパークリングワインとして標準的な白さ。少し麦わら色かもって程度。細かい泡がぷつぷつと立ち上っていて、これも標準的。香りは、ほんのりとシトラスなものが漂ってきた。
 
 口に入れると、軽い苦みにグレープフルーツジュースのような苦みを帯びたシトラスが来た。重さ、複雑さは無く、ライトでドライな飲み心地ながら、スパークリングワインとしては無難。変化もなにもあったものではなく、後半、シャルドネでつくられたスパークリングワインとは思えない気怠さがあり、「まさにスプマンテ」という感じがする。でも、スプマンテだから許せてしまう。標準的なスパークリングワインとしては今一歩足りないかも。
 

【1632】Clarendelle Bordeaux 2013

 
クラレンドル ボルドー
 ※リンク先は現行ヴィンテージです
 
 ボルドーの安ワインには独特の郷愁があって、あれはあれで良いものだけど、このクラレンドルってワインにはあまりそれが感じられなかったような記憶がある。過去の記録を確かめると、それほど悪い印象でもなかった様子だけに、どうして良くない記憶があるのかよくわからない。まあ飲んでみましょう。
 
 グラスに注いでみると、見た目はまずまず黒っぽくて不透明、なんの変哲もない赤ワイン。匂いを確かめると、煮豆のような匂いに木炭のような雰囲気を帯びていて、なんとなくミネラリーな豆を連想したくなる。その後ろから、ようやくジャム-果実系の匂いがやってくる。
 
 口に入れてみると、おお、甘さ控えめ、酸味はあるていどしっかりしていて、なんというか安ボルドーらしさがある。つまり果実味よりも落ち着いた雰囲気と穏やかな舌触りが前景に出ていて、ほんのりとした苦みと煙突や木炭のフレーバーを伴っていて静かな感じがする。うんうん、安いボルドーはこういう感じ、こういうのがいいんだよ、と言いたくなるような感じになった。
 
 ※翌日は、もっとミルキーな口当たりで、酸味がそれほど増強せずに飲みやすい雰囲気に終始した。これもこれで良かった。安ボルドーとしては良くできている(ただ、このワインは安ボルドーというには若干お値段がするのだけれども。。。)