北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1643】Valdivieso Extra Brut (N.V.)

 
バルディビエソ バルディビエソ エクストラ ブリュットNV
 
 まず色合い。シャンパーニュとしては薄めだけどスパークリングワインとしては標準的。いくらかシトラス&青りんごの風味がある。泡モノの常として、あまり風味は強くない。
 
 口をつけると、とにかく軽いシトラスと酸味。スパークリングワインとして標準的な風味ながら、重いところがなく、まるでイタリアのスプマンテを思わせるような軽さがある。バルディビエソの「エクストラ ブリュット」でこれだとしたら、もっと軽い平格は(もし存在するとして)一体どんなに軽いんだろうか。とはいえ、このクラスのワインに変に重厚さや複雑さを求めてもロクなことがないので、これはこれで割り切った構成なんじゃないかとも思った。
 

【1642】Domaine de la Mordoree Lirac 2014

 
リラック・ルージュ レーヌ・デ・ボワ [2014] (ドメーヌ・ド・ラ・モルドレ)
 
 このワインは、ローヌのなかでも全然縁のなかった「リラック」というエリアの品。果たしてどんなものなのやら。
 
 まず見た目。黒々とした濃いワインながら、いくらか青色がかっているところがあり、若いワインに見える。粘りがあっていわゆるワインのあしが長い。匂いは、ちょっときつい香料系列の風味があるけれども目立たない。
 
 口に含んでみると、香料系、線香系の風味がたっぷりと広がっている。ただ、このワインには、同じローヌでもジゴンダスなどに比べて白ワインのような爽やかさが伴っていて、そのせいか、シュナン・ブランでも混ぜてあるんじゃないかと思ってしまう。もちろん、ワインのラベルをみると白ワインの品種は含まれてなくて、なぜ、こんなに白ワインっぽい赤ワインなのか不思議な感じがする。それでいて、舌触りはこってりしていてローヌらしさもあるといえばある。なかなか一筋縄ではいかない。
 
 ※翌日は、果実味、苦味、甘味、酸味、すべての面でスケールアップ。爽やかさはあるも赤ワインにあって欲しいものはだいたいある。それと、ざらざらした口当たりとミルキーな口当たりが両立していてなかなか飲み応えがある。
 

 

【1641】Sella e Mosca Vermentino di Sardegna 2016

 
セッラ・エ・モスカ ヴェルメンティーノ ディ サルディニア
 ※リンク先は現行ヴィンテージです
 
 見た目は、この品種にしては濃い目の黄色、というか若干黄緑色で蛍光っぽい色彩にもみえる。香りはほんのり花束の香りに石灰岩。このメーカーのヴェルメンティーノらしい、ごわっとした匂いがする。
 
 口に含むと、まさに石灰、というかスカッシュ!な荒々しい石灰系の風味が口に広がって、まるである種の炭酸水のよう。白ワインの風味としては、レモンのような酸っぱさに、案外と蜜の甘みが伴っていて喜びがある。良くも悪くも炭酸のごときゴワっとした酸味があるので荒々しい味にまとまっていて、お上品な白ワインとは言い難いけれども、価格帯も飲む目的もそんなお上品なものではないので、これはこれでいいと思う。
 
 ※二日目は相対的に丸くなったと感じられる。炭酸から微炭酸になったとでもいうような。シーフードとは良い相性。旨かった。

【1640】Veuve Clicquot Ponsardin White Label Demi Sec (N.V.)

 
ヴーヴ・クリコ ホワイトラベル
 
 たまにはシャンパンでも飲みましょうとなった折、嫁さんから「白クリコがいい」とお声掛けがあったので白クリコをあけることにした。
 
 まず見た目。普通にきれいなシャンパン。麦わら色をしていて、細かい泡がゆったりと立ち上っている。香りは、まず青りんごの新鮮なやつが来て、その後からメレンゲ菓子みたいな甘い香りがほんのり追いかけてくる。うんうん、シャンパーニュとしてはこれで良し。
 
 口をつけると、リンゴのバター焼きを思わせるような甘みが口のなかに広がる。ある種のシャルドネのバターっぽさに通じるような、そういうバター感を帯びた甘味だ。それでいて、口のなかには青りんご~シトラス系のさっぱりとした酸味もある。それがバターと溶け合って、うまい具合のバランスがとれているのがこのワインの良いところ。甘口シャンパンを作っているメーカーは他にもいくつかあるけれども、やっぱりこいつが一番美味いというか、甘口シャンパンとしてのバランスがとれているように思う。スイスイと飲めてしまう。酔っ払ってしまった。
 

【1639】Medici Ermete Le Tenute "Bocciolo" Grasparossa (N.V.)

 
メディチ・エルメーテ ボッチオーロ ランブルスコ グラスパロッサ
  
 このワインは、ランブルスコを作っている会社としては割と有名なメディチ・エルメーテの品。いつもは低いランクのものだけど、今回はほんの少し良いランクのボッチオーロという品を選んでみた。ちなみに前回は7年以上前に飲んでいる。当時は満足していたみたいだけど、それからずっとワインを呑み続けた今はどう感じるのやら。
 
 まず見た目。とても黒っぽいランブルスコだ!カシスリキュールのような深い色をしていて、ランブルスコとしては嬉しい。薄い赤色のランブルスコはたいてい味も薄くて飽きやすいので、これは良い兆候。香りを確かめると、飲むヨーグルトブルーベリー味をほうふつとさせる匂いがふわーん。
 
 口に含むと、スイート&サワー。飲むヨーグルト風味をもうすこし甘く、濃く、果実味寄りにした味がしっかり来る。コクがあって飲み応えじゅうぶんで、炭酸風味とは別に、微妙にワインにざらつきまであるように感じられる。こりゃあ美味い。このメーカーの平格とは100~200円しか違わないのに、かなりうまい。甘口が苦手でなければおすすめ。

【1638】Lunera Monica di Sardegna 2014

 
ルネラ モニカ 2014
 
 見た目はごく普通で、透明度そこそこの赤ワイン。若干、オレンジ色側にカラースペクトルがあるかもしれない。香りは非-梅系線香の香りと香料のようなややこしい化合物を思わせる匂いがする。ジャムというよりエキス。そこに、ミントとはちょっと違う、薬草っぽい臭いがするような気もする。概して、おくすりっぽい雰囲気だ。
 
 口をつけてみると、なんだか的の定まらない土っぽい風味が口に入ってきた。もちろんワインらしい果実味はあるし、前述の香料を思わせるやつも入ってくる。ただ、このワインに伴っている土っぽさは、ブルゴーニュやキアンティクラシコやクリュ・ボジョレー(のモルゴン)なんかで出会うタイプとは全く別物で、「土砂」とか「砂岩」と言いたくなるような、独特の雰囲気がある。ネットでちょっと調べてみると、いろんな感想が書かれているけれども、そのなかではカンゾウ系の風味があるって意見には割と賛成かもしれない。高価なワインのオーガニックさとはちょっと路線が違うながら、面白くて土っぽさがあって独自の世界になっている。アルジオラスが作っている優れたモニカ二種には及ばないけれども、モニカという品種についてますます好きになる一助にはなった。モニカ、やっぱり狙い目です。
 
 ※翌日も、おおむね美味いワインのままだった。価格帯を考えれば健闘していると思う。1800円ぐらいしてもおかしくないと感じた。