北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1676】Pieropan Soave Classico "Calvarino" 2015

カルヴァリーノ ソアーヴェ クラシコ 2015 ピエロパン
 
 疲れがたまっている時に飲みたくなるソアーヴェクラシコ。今日は奮発して、定番ピエロパン社のちょっと良い「カルヴァリーノ」を選んでみた。
 
 まずグラスに注ぐと薄い白ワイン色。いかにもソアーヴェクラシコ。香り。台所洗剤系の匂いながら、ホンワリと温野菜風というか、香りに柔らかさが伴っている。
 
 口に含むと、ソアーヴェ系としては尖った酸味が口に来た。尖ったとはいえ、他の白ワインに比べればそれほどでもないのだけれど。で、後味が淡い!ほんわりとした、包み込むような後味が長く残る。入口は、ちょっとシトラス系ですらあるけれども、後味は温野菜を含んだホンワリ風。無印ソアーヴェクラシコに比べると、ホンワリ感の丁寧さがワンランク上。ふくらみも感じられ、それでいて空虚でもない。飲み進めると、だんだんに飲み心地が膨らんできてパワーがあるとさえ感じられるようになった。ソアーヴェクラシコだけどベースとして骨太、カルヴァリーノはもっと細身かと思っていたけれども、今日はそうではなかった。
 
 ※二日目のほうが細身になったと感じる。こちらのほうがなじみ深い。でも初日も悪くなかったかなぁと思ったりもした。
 

【1675】Corte Majoli Tezza Valpolicella 2015

 
ヴァルポリチェッラ コルテマイオーリ テッツァ
 
 このワインは、以前に格上がまずまず良かったマイナーメーカーのヴァルポリチェッラ。牛肉そのほかと一緒にやってみることに。
 
 まず見た目。明るいルビー色をしていて、見ようによってはピノ・ノワールに近いかもだけど、それにしては少し青みが強いようにもみえる。香りは、初手では木樽の匂いと腐った切り株系の匂いがこみあげてくる。
 
 口に入れるとサクランボを思わせる軽くて爽やかな果実味と、それとは正反対の、木とチョコレート、つまり濃くてコクの強い風味が両方やってくる。アマローネでもクラシコスペリオーレでもないヴァルポリチェッラって、サクランボ系の爽やかさが身上だと思うけれども、このワインは香りは豊かで舌触りも滑らかながら、ちょっと木樽が勝り過ぎている気はする。まずいわけではないけれども、ちょっと作為的であり、味が分裂している印象は否めない。
 
 ※二日目も同じ調子。若干酸味と果実味が勝つようになって飲みやすくなったかも。それでもチョコレートが人工的だ、チョコレートでちょっと重いワインが好きな人向けのヴァルポリチェッラ、といったところか。

【1674】Rotari Brut Trento D.O.C. Brut (N.V.)

 
ロータリ ブリュット
 
 このワインは、イタリア北東部のスパークリングワインとしては割と安価でよく見かけるスパークリングワイン。
 
 グラスに注ぐと、細かな泡がしっかりと湧いてきて色合いも薄い黄金色。値段を考えれば立派な見た目。香りも、初手で漬け物系の発酵臭がして、なんちゃってシャンパンっぽさがある。
 
 口に入れても漬け物っぽさは健在。グレープフルーツ~レモンのような酸味に加えて、充実した苦みを伴っている。安いスプマンテ(イタリア産スパークリングワイン)と違って苦みが重さをもたらしていて、ペラペラ感は無い。かといって呑みづらいってことも皆無なのでおいしくいただいてしまった。

【1673】Golan Heights Winery "Yarden" Galilee-Galilaa Chardonnay Organic 2015

 
ゴラン ハイツ ワイナリー】 ヤルデン シャルドネ オデム [2015]
 
 このワインは、いつもおいしくて贔屓にしている、イスラエルゴラン高原シャルドネ。ただ、今回は「オーガニック」を名乗っていて少しだけ値段が高い。まあ、いつものやつぐらい美味しければ十分価格に見合っているので、期待せず抜栓。
 
 まず見た目。濃い!山吹色、蜂蜜のような見た目。普通のヤルデンもまずまず濃いが、もういっちょ濃い感じ。香りは、いきなりフルーツポンチ。もともとのヤルデンよりもフルーツポンチ度が高く、ローソクのような揮発臭を帯びている。シャルドネのなかでも、すんごく甘い匂い。樽~バニラ系の匂いはあまり感じられない。
 
 口に入れると、まずバターっぽさを帯びた甘味が。バター、です。つまり濃い口系のシャルドネ。普通のヤルデン同様、石灰岩のような鉱質風味がしっかりしていて、それがシャルドネの酸味と結びついて清々しさを忘れていない。キスラーのダットン・ランチなどに比べると立体性がやや少ないかもだけど、価格を考えれば十分すぎるほど立体的なワインでもあり、なにより、石灰岩系の風味を帯びた酸味が個人的にはすごく嬉しい。こういう作風は本家・ブルゴーニュシャルドネよりもイタリアの一部白ワインに似ていて、両方の好きな部分の良いとこどりになっていると感じる。それとクッキー!凄いクッキーが迫って来る!こんなに美味しくて本当にいいの?
 
 まことに素晴らしいワイン。もう、我が家の「標準化されたシャルドネ」は、これと通常クラスのヤルデンとをそれぞれダース買いでいいんじゃないか。
 
 ※二日目。あいかわらずリッチ。でもって、少し胡椒や香辛料を思わせるエキゾチックさも感じられる。これは、グラスを変えてしまったせいもあるかもだけど、旨かった。
 

【1672】Cantina Santa Maria la Palma "Aragosta" Frizzante (N.V.)

 
アラゴスタ フリツァンテ NV
  
 今日の夕食は、秋刀魚を中心にしたさっぱりワインが欲しくなるようなもの。味わうようなワインでなく、秋刀魚のオマケになるような品として、イタリアはサルディニア産の微発泡ワインを選ぶことにした。
 
 まず見た目。わずかにグリーンがかった薄めのカラー。泡は細かく少ないうえに、グラスにやけに大粒の泡がくっついている。このあたり、普通のスパークリングワインではなく、微発泡ワインという感じだ。香りはほとんどない。
 
 口に入れると、ちょっと苦みの利いた爽やかな味。ただし、サルディニアのヴェルメンティーノにしては酸味や石灰風味が乏しく、踏み込んでくるところがない。シュワシュワとした口当たりとテキトーな風味で、適当に呑むようなワインだ。でも、秋刀魚のお供としては十分ではある。夏に、適当な魚料理とやるにはよさそうなワインではある。ワインそのものに期待するようなタイプではない。
 

【1671】Argiolas Perdera Monica di Sardegna 2014

ペルデーラ 2015 アルジオラス
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 このワインは、以前から価格に比べて内実がしっかりしていると感じる、サルディニア島のワインメーカー・アルジオラスがつくるベーシックワイン。土着品種モニカでつくられたこいつは疲れた日にも旨かったはず。以前に呑んだ時はとても良かったと思う。豚肉炒めやグリルチキンあたりとやってみましょう。
 
 まず見た目。少し赤茶色っぽさあって不透明なワインレッド。黒々としていて底があまり見通せないような。香りは、初手では梅っぽさがツーンと来た後に、お線香・香料系の匂いがふわーんと。でもって、粘土みたいな土っぽさ、アルカリ土類金属っぽさ(やはりカルシウムを思わせる)をいくらか帯びている。
 
 口に入れてみると、やはりお線香・香料系のフレーバーが力強い。酸味も相当なもの。ただ、口当たりはソフトで穏やかな飲み心地なのは以前とかわらない。口のなかに、カルシウムっぽさを伴った土臭さが混じるのも良い。イコールではないけれども、どこかクリュ・ボジョレーを思わせるようなところがある(そういえば、以前もクリュ・ボジョレーを連想していたことを後で知ってびっくりした)。それでいて、同格クリュ・ボジョレーよりは安いわけだから、リピートしないわけにはいかない。やはり、隠れた名品。