北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2015】Ilocki Podrumi Grasevina Classic 2017

 
Grasevina Classic Ilocki Podrumi
  
このワインは、美味いトラミネールをつくっているクロアチアのワインメーカーの量販品。なんと1リットルという風変わりなサイズで、がぶ飲み上等なワインという予感。余ったら料理用にまわしてしまうことにして、二日ほどで飲んじゃおう。
 
まず見た目。結構濃い黄色、少し緑色がかっているような感じで、驚いたことに、蜜の香りとメロンと黄桃のような香り、それから菖蒲やネギみたいな植物エキスっぽさがある。びっくりだ。
 
口に運ぶと、まず黄桃っぽさと植物エキスっぽさがわーっと来て、そのあと、さわやかな酸味とミネラルが追いかけてきた。既知の品種でいえばソーヴィニヨンブランっぽいけれど、以前に飲んだ、同じくクロアチアの土着品種の白ワインによく似ている。こちらのほうがミネラルが豊かで黄桃っぽい後味がしっかりしていて飲みごたえがあるかも。クロアチアのワイン、やはり侮れないのでもうちょっと飲み進めてみたい。
 
 ※二日目は、さっぱりとした飲み心地になってデイリーワインの雰囲気が強まった。イタリアの飯屋でカラフにいっぱい入って出てくるワインのような。価格帯からいって、それもまた良し。
 
 
 

【2014】Chandon Brut (N.V.)

 
シャンドン ブリュット N.V.
 
 このワインは出先で選んだ手堅いはずのスパークリングワイン。確か、ものすごくシャンパンっぽいスパークリングワインだったと思う。外したくない時の強い味方。
 
 グラスに注いでみると、ほんのり麦わら色の基本的なスパークリングワイン。泡は細かいものがしっかりと立ち上っている。香りは、抜栓した瞬間からトーストやイーストや軽い漬物がにおいたっていかにもうまそう。まるで、シャンパーニュだ。
 
 口をつけると、弾ける泡、そしてスカッとドライな酸味と抜群の苦味。いやーすごい、シャンパーニュにあってほしいものがだいたいある、それもオーソドックスなやつだ。いつ買ってもお買い得、とてもうまい。ちょっとしたお祝いにはジャストフィット。
 

【2013】Pieropan Soave Classico 2018

ソアーヴェ・クラシコ ピエロパン 現行

 
今日の夕食はお寿司を中心としたもの。こういう時に飲みたいのは端麗な白ワイン、でもって手持ちで最も端麗系なのが常に頼りにしているソアーヴェクラシコの定番、ピエロパンの通常タイプ。旨くないとは思えないので、気持ち良い思いをしたいところ。
 
抜栓しようとしてみると、なんと、コルクがくずコルクでなくちゃんとしたコルク! ピエロパンの通常タイプはある時期からくずコルクだったはず。これはどういう風の吹き回しだろう? グラスに注いだ中身は、まずまず薄めの白ワインで、ソアーヴェクラシコらしい。香りは、青々としたすがすがしい香りに加えて温野菜の気配、ソアーヴェクラシコ系や、フランス品種でいえばシルヴァネールを思わせるものがある。
 
 口に含むと、かすかな甘味とともにほんのりとした柑橘系の酸味と温野菜のほわわーっとした風味。この、淡い酸味と淡い口当たり、いかにもソアーヴェクラシコという感じがして、とてもいい。グラスのなかに、すがすがしい香りがいつもたゆたっている。淡白な魚やだし巻き卵とも喧嘩せず、穏やかに付き合ってくれた。
 
※二日目。そらまめの天ぷらと一緒にやると大変美味い。すっきりとした、ゆったりとした飲み心地を満喫しました。
 

 

【2012】Luigi Righetti Amarone della Valpolicella 2015

 
ルイジ リゲッティ アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラシコ
 ※リンク先は現行ヴィンテージです
 
 このワインは、イタリアで良心的価格のアマローネをつくっているルイジ・リゲッティの無印アマローネ。無印とはいえ、アマローネはアマローネ、きっとゆったりとした気分にしてくれると期待。さあどうでしょうか。
 
 まず見た目。ちょっと赤茶色がかった、透明度の低い赤ワイン。グラスに注ぐと表面がぴちぴちしていて活きがいい。鼻を近づけると、ジャムっぽい……というよりはちきれるような果実味に近い、すごくフルーティーな香りと雨に濡れたチョコレートの香り、それと漆喰のような揮発臭がもんわりと漂う。
 
 口に含むと、苦みにみちたじゅくじゅくの果実味。このメーカーの格上アマローネ、カピテル・デ・ロアリーに比べると、苦みが強く果実味がシンプル。とはいえ香りはさすがアマローネといった雰囲気で、そこに木材のような香りもよぎってくる。格上ほどではないけれども、やっぱりこれはお買い得なアマローネ。飲むほどにおおらかな気持ちが生じてくる。ありがたい。
 
 ※二日目は、より甘さが前に出た、親しみやすいワインになった。ふかふかとした飲み心地で終始ご機嫌。やっぱりいいワインだ。
 

【2011】Hardys "Stamp of Australia" Sparkling Chardonnay Pinot Noir (N.V.)

 
ハーディーズ・スタンプ・スパークリング・シャルドネ・ピノ・ノワール
 
 グラスに注いでみると、シュワシュワと泡は立ったものの、そこからの泡ののぼりはやや弱い。体感としては微炭酸ぐらい。色合いは薄い麦わら色をしていて、このクラスのスパークリングワインとしてそれほどおかしくはない。香りは、りんごの香りがぷーんと漂ってくる。青りんごでもかんきつでもなく、あくまでりんご。りんごが漂っている。
 
 口をつけてみると、ちょっとした苦みと金属感を帯びた、しかしりんごが迫ってくる。酸っぱいりんごがグワーっと攻めてくることもあれば、甘いりんごが味わえることもあり、ときにはりんごの芯みたいな感覚をおぼえることもある。苦みもあり、リンゴも豊かで、ちょっと金属っぽくもあるので、へたくそにつくられたシャンパーニュぐらいの雰囲気がある。もちろん標準以上のシャンパーニュには全くおよばないのだけど、世の中には、このクラスのスパークリングと比べたくなるようなぞんざいな安シャンパーニュがあったりするのだ。価格を考えれば、値段なりの仕事はちゃんとしていると思う。
 

【2010】Ilocki Podrumi Traminac Selected 2018

トラミナック セレクテッド 2018 イロチュキ ポドゥルミ
 
 このワインは、前回とても良かったのでリピートした品。クロアチア産のトラミネールで、値段を考えたら驚きのミネラルと充実感だった。今回も美味いといいのだけど。
 
 グラスに注ぐと、まずまず黄色っぽい白ワイン。だいたい黄金色をしていると思う。ごくわずかに気泡が混じっているような……。香りは、パイナップルとライチと夕張メロンを一堂に集めて、石灰岩系のミネラルでピーンと束ねたような。いやあ美味そう、トラミネール系のワインでミネラルがびんびん効くのはいいですね。それと、蜜の気配が強い。
 
 口をつけると、ワインがぶわっと口の中で膨らみ、にもかかわらず石灰系ミネラルのおかげでダレることがない。膨張する白ワインは、しばしば締まりが足りないだらしないワインになるけれども、こいつはそうではない。トラミネール系は酸味が弱いので、ここがことさら弱くなりがちなんだけど、ミネラルの力で、それを食い止めている。気泡を反映してか、前回と同じく炭酸めいた旨さがあって、これが各種フルーツの風味と合わさって、豪華なパフェのような華やかさがある。そのうえ、味が引き締まっているのがまたいい。飲み飽きない。困ってしまいますねえ。
 
※二日目は、フルーティーな酸味がほんのりと乗っていよいよもってバランスの良いワインに。ミネラルももちろん健在、フルーツ万華鏡なのは相変わらず、ふくらみがありつつ締まりもある。二日目のほうがトータルバランスが良いのでは。やはり、この分野のこの品種のなかでは図抜けた白ワインだと思う。ヤルデンのシャルドネに出会った時と同じぐらいのインパクトがある。