北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1980】Klostor Qualitätswein Pinot Noir Pfalz 2017

 
クロスター ピノノワール ファルツ 2017
 
 このワインはドイツ製のピノ・ノワール。普通、こういうのはドイツ名でシュペートブルグンダーと名乗ってそうだけど、これはそうではない。産地はプファルツ、ドイツのなかではそんなに寒くなくフランスに近いっちゃ近いエリア。さてどうでしょう。
 
 まず色。すごく薄い。へたなロゼよりも薄く、ヴィンテージが弱いときのヴォルネみたいな淡い色をしている。香りは、タンニンを伴ったサクランボというような、アセロラ系とはちょっと趣の違う香りをしている。革製品っぽくもある。ブルゴーニュの平格赤ワインを思わせるところがある。
 
 口をつけると、果実味はフレッシュながら、甘みが控えめ、やたら濃いのでなく淡さがあって好感。上品な和菓子のようなフレーバーを伴っていて、ただしフレッシュ系ワインとしてのぴちぴちっとした感じは健在で、それでいて水っぽさとは無縁、飲み干す際にタンニンとあわさってコクが残るという優れた仕草をみせてくれる。グラスから蜂蜜のような香りがたちのぼる瞬間すらあって、クオリティが高そうな面構えだ。これ、いいんじゃないだろうか。ブルゴーニュ本家の高級ピノ・ノワールには勝てないとしても、このワインらしい面白さは確かにある。
 
 ※翌日もほとんど同じ展開。あっさりとした飲み心地で、それでいて雑という感じがしない。価格を考えるなら、優れた旧世界ピノ・ノワールだと思う。近くのお店で見かけたら試していいんじゃないだろうか。