北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2308】Banfi Brunello Di Montalcino "Placido" 2005

バンフィ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ プラチド 2005
 
このワインは、2020年の時点で十分においしく熟成していて、もう飲み頃は過ぎていると推測されるブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。4000円を切っていて熟成期間充分、かつ柿っぽさの宿ったいい飲み物だったのだけど、なんと、これがまだ売れ残っていることが判明したので恐る恐る一本だけ買ってみることにした。夏が加速する前に飲んでしまおう。もし、うまかったらバンフィに敬意を表して格上のブルネッロを一本注文して寝かせるのだ。
 
まず抜栓すると、酒石酸がコルクの裏でキラキラと光っている。いい感じだ。で、抜栓した時から干し柿オレンジピールのような、ブルネッロ然とした香りが爆発する。見た目は、赤茶色のワインレッドでうまそうな雰囲気だ。香りは、その干し柿に加えて、トーンの高い揮発臭、醤油のような香り、ちょっとザラザラを予感させる甘納豆の香り、が猛烈にこみあげてくる。いやーこれ凄い。価格帯から想像できない高まりだ。
 
口に運ぶと、夕張メロンのようなとろーりとした熟成ワインの口当たりと甘味。タンニンはかなりなだらかになって、カフェオレのような後味とだいぶ溶け合っているような。ざらめのような砂糖がよぎるのも嬉しい。すごい、熟成ワインとしてバッチリの滑り出しだ。それだけに、息切れが心配ではある。でもいいよ、息切れしても、この一瞬のスタートダッシュがあっただけでもあんたはえらい。遥かに格上のワインたちが、この地平に一度も到達できぬまま果てていくことだってあるのだから。
 
※翌日。一日経って、メロンも柿もパワーダウンし、米ぬかみたいな雰囲気が強まった。それでも旨味はまだ衰えない。いやー凄い。初日が出来過ぎていただけで、二日目も基本、美味く、面白い。ブルネッロ、おそるべし! それともトスカニーのこの品の輸入状態が良いのか。驚きました。