北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2537】Domaine Rene Leclerc Gevrey Chambertin 1er Cru Lavaux St. Jacques 2017

 
ドメーヌ ルネ ルクレール ジュヴレ シャンベルタン プルミエ クリュ ラヴォー サン ジャック
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、かつてはお買い得な価格で手が届いたルネ・ルクレールが作っているジュヴレ・シャンベルタン一級。一級畑のなかでは有名な名前のひとつだけど、作り手がマイナーなこの対戦、どんな塩梅になるのでしょうか。2017年というヴィンテージは今飲むにはたぶんいいんじゃないかと想像。
 
まず見た目。うっすいオレンジ色がかった、朱色の液体が来た! ちょっと熟成している感じがあって、ブルゴーニュ赤らしい、うっすい色合いが懐かしい。香りは、いきなりジュヴレ・シャンベルタン節。こってりとした、よく「テナーの効いた」と比喩してきた今までに遭遇したジュヴレ・シャンベルタンたちと共通する、あの香りがぷんぷんする。もちろんチョコレートのにおい、森のにおい、そして甘くコーティングしたヘーゼルナッツのような香りも。
 
さあ口に運んでみよう! この風味はなんて言えばいいんだろう? 干し柿が効いている感じはブルネッロ系列に似ているけれども同じではない、でもって確かにこれはブルゴーニュの赤ワインに違いなく、甘酸っぱい、けれども「テナーが効いている」。バスではなくテナーと比喩するのは、ピノの爽やかさ・軽々しさに融合するようなかたちで干し柿系の風味がじーっと通奏低音になっているからだ。少なくともこのワインの場合、ここに迫力があってただ美味いだけのワインではない。だというのにだ、このワイン、チャーミングでもある。甘くて、包容力があって、リラックスさせる力。二杯目からは黒系キノコのにおいが漂ってきた&精気がみなぎっている。
 
だから男性的な雄々しさと女性的な包容力やおおらかさや柔らかさの両方が楽しめる超欲張りワインだ。前回、同じメーカーのジュヴレ・シャンベルタン一級コンブ・オー・モワンヌ2016と対峙した時と比べると、こちらのほうが赤系果実寄りで、荒々しさよりも包容力、そして干し柿系のテナーにおいて勝っている。ラヴォー・サン・ジャックってそういう畑なんですか? 知らんけど、ともあれ久しぶりにジュヴレ・シャンベルタンをいただきました。
 
※翌日は、前日に比べればめくるめく味とまではいかなくなり、香りのスケールも小さくなった。とはいえ、ジュヴレ・シャンベルタン節は健在。