北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2197】Domaine Bernard Millot Meursault 1er Cru Les Gouttes d'Or 2017

 
ムルソー 1級 グット ドール 2018 ドメール ベルナール ミヨ
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、先日村名格ムルソーを飲んでみた無名の作り手が作っている、ムルソー一級・グットドール。ムルソー一級は今までに何度か飲んだけど、だいたいポリュゾかシャルムで、このグットドールはこれが初めて。このワインは来年以降に飲む予定だったけど、ワインセラーが壊れたために前倒しして飲むことになった。若飲みムルソー一級か、いったいどんな感じなんだろう。
 
まず抜栓。おや?コルク表面にかびが少し生えていて、コルクが黒くなっている箇所がある!なんかよくないぞ。ボトル表面を濡れティッシュで拭くと、このコルクとかびの色がティッシュに残る。吹きこぼれたのだろうか。コルクを抜きにかかると、コルク表面が全体的に湿っている。これ、コルク表面までワインが到達してやいないだろうか。でもコルクからは悪いにおいではなく、蜂蜜クッキーみたいな芳香が漂ってくる。悪くなっていなければいいのだけど。
 
グラスに移すと、見た目は控えめな黄金色。このメーカーがつくる村名格のムルソーとほとんど同じ。香りを確かめると、圧倒的な蜂蜜!すんごい蜂蜜っぽさで、クッキーを通り抜けてコンポートっぽささえある、こってりとした甘い香りがやってくる。
 
おそるおそる口をつけると……あっ!なんか酸っぱいぞ? 初手で変なえぐい酸味が来た! これはダメージを受けている可能性がある。 二口目、三口目になるとこの感じは次第に落ち着いてきて、ムルソーらしいバターとナッツ、それとコンポートめいたあまーいフレーバーが優勢になるんだけど、酸に残る僅かなえぐさは前回の村名格には無かった要素だ。それと、大理石の弱さ。前回の村名格は大理石っぽい香りとミネラル風味がしっかりしていたのだけど、こいつは初手から大理石が来る感じではなく、意識しながら飲んでいると大理石が来るぐらいのペースだ。一級で、早飲みで、ボトルがダメージを受けているかもしれないから、こうなのかな? うーん、悪いってほどじゃないけど引っかかるところのあるワインだなー。
 
飲み進めると、違和感はいよいよ少なくなり、あまーいフレーバーとバターとナッツが優勢な、「Gouttes d'Or黄金のしずく」という名前にふさわしいワインになってきた。ここまでくると、まるで新世界のよくできたワインのようでもある。ただ、コシュ・デュリのムルソーみたいな石っぽさは引っ込む感じだ。
 
※翌日。うわぁ……シャルドネらしい蜜林檎の香りが伴うようになり、なんと、昨日よりもずっと大理石じみている。果実味にはカスタード&アプリコットのような甘さを伴って、ここに来て村名格のムルソーを大きく上回った! 大理石っぽさがあるからといって、甘さが弱くなったかといったらそうでもない。むしろますます蜜やコンポートのような香りが強まり、そこらの新世界のよくできたワインを超越している。なんと、菖蒲のような植物系の凄い精気まで伴っていて凄い迫力だ。これはもう、グットドールのファンになってしまうしかない。より上級の作り手が作るグットドールはいったいどんな姿をしているんだろう。
 
そうか、早飲みだから初日より二日目のほうが期待持てるわけなんだな。ほとんど期待していなかったのでびっくりしてしまった。