北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2295】Dampt Freres Emmanuel Dampt Bourgogne Tonnerre Chardonnay "Chevalier d'Éon" 2019

 
[2019] ブルゴーニュ トネール シャルドネ シュヴァリエ デオン ダンプエマニュエル
 
このワインは、シュヴァリエ・デオンの名を名乗る、ブルゴーニュの傍流であるトネールのシャルドネ。本流であるコート・ドールはもちろん、傍流のなかでも有名なマコンやシャロネーズでもない、見覚えのあまりない地域のつくり。さあ、こいつはどんなシャルドネなんだろう。
 
見た目は結構金色がかっていて、通常型のブルゴーニュ白といわれてもたぶん気づかない。香りは……爽やか、植物系のシャルドネ。通常型の、もっと値段の高いブルゴーニュ白と比較するとリッチさが欠如していて、新世界のシャルドネと比較するとトロピカル果物さが欠如している。これだとロクなワインじゃないように聞こえるかもしれないけれど、爽やかな香りだけが屹立していると、これはこれでうまそう。ある種のシャブリから米ぬかっぽさを抜いたような、そういう爽やか細身系シャルドネっぽさがある。
 
口をつけると、おう、これは凡庸だがいいぞ! チリあたりのシャルドネから豊満さとトロピカルさを取り払ったらこうなるって感じ。それがいいんだよ! ミネラルやストラクチャーといった点では、このワイン、かるっかるで全くそういうのないんだけど、過剰な果実味で重たくなるでもなく、身軽さを身上としていて軽量級シャルドネとして十分美味い。今日の夕食はチダイの刺身を中心としたものだったけれど、刺身とも相性良くバッチリな感じだ。すっごくベーシックなシャルドネを、そういうものとしてこういう価格で飲めるのは幸せ。雑味もなく、満足のいく内容だった。シュヴァリエ・デオンの名を名乗っているので覚えやすくもあるから、どこかで見かけたらまた買おう。
 
※二日目は、植物系シャルドネの植物なところが弱ってしまい、ちょっと没個性に傾いた。が、初日の出来でもなかなかのものだ。大きなテーブルで多人数で一気に飲むぶんには、白ワインの一番槍としてこいつは結構いいんじゃないかと思う。