北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2359】Heymann-Lowenstein Schieferterrassen 2019

 
ヘイマン・レーヴェンシュタイン シーファーテラッセン [2019]
 
この品は、ドイツはモーゼル地方でつくられたリースリング。このメーカーのワインには、それほど値段にムチャのない、それでいて上位クラスの品が控えているので、おそらくエントリークラスとおぼしきこれをやってみることにした。これがよくできていた場合、脱ー高級ブルゴーニュの一環として、上位を仕入れて寝かしておく心づもり。
 
まずスクリューキャップをひねる。と、ポン! とすごい音が。これは不吉ですねえ。瓶内でなにやら発酵していた可能性が。2019という若いヴィンテージでこれはいかにも不吉。グラスに注いでみると、色合いは金色に輝いていて、じつに美しい。もっともっと格上の甘口リースリングみたいな色合いをしている。香りは、マッシュルームなどのキノコ系の香りと甘口リースリングにありそうなトロピカルな香り、それからすがすがしい若いリースリングらしい花畑系の香りがみつどもえをしていて、ミネラルの予感がある。
 
口に運ぶと、まず、あまりよろしくない風味が来た。これはブショネでは? と初手では疑う。そのあとに来る、明確なミネラル味、あるいは立体的な口当たり。辛口リースリングなんだけど香りは上級の甘口リースリングやソーテルヌみたいな複雑なトロピカルさを伴っていて、そこにさっぱりとした酸味とシャブリ一級もかくやという立体性が伴っていて驚かされる。はじめ、これは悪くなっているのではと思ったけれども、そう思う以上に複雑な風味とつくりに唸らされる。まだ若く、エントリーモデルでこれだけ魅せてくれるとなったら上位を購入してみたくなる。ブルゴーニュの白に代わる可能性として意識しておきたい。
 
※二日目。前日の、ブジョネっぽい雰囲気はますます遠のき、びりびりはミネラリーな風味と理解されるようになる。辛口ながらトロピカルで、このびりびりミネラリーはある部分でコルトン・シャルルマーニュに通じる、と言ったら言い過ぎだろうか。バランス調整にやや難があるかもしれないけれども基本的なポテンシャルは高いとみた。一考に値するドイツワインなので、これの上位は買ってみたくはある。ただしドイツワインのボトルって背丈が高いのがちょっと問題だ。ワインセラーの特定区域には収納できないので、やや温度変化のある冷暗所に保存するか、セラーの一番要領のきくエリアに収納するか。