北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2459】Domaine Faiveley Mercurey 1er Cru Clos des Myglands 2020

 
[2020] メルキュレ 1級畑 クロ デ ミグラン フェヴレ
 
今回は、久しぶりにブルゴーニュ赤の飲み比べを三日かけて実施してみる。初日から登場するのは、フェヴレのお買い得ワイン「メルキュレ」、その一級を名乗るワイン。メルキュレは本家ブルゴーニュの値上がりに伴って間違いなく値上がりしつつあって、実際、いいワインがたくさんあると思う。一級を飲む機会は本当に久しぶり。なお、二日目から登板するのはニュイ・サンジョルジュでいつも世話になっているロベール・シュヴィヨンのニュイ・サンジョルジュ一級2016。分家筋のメルキュレ対、本家筋のニュイ・サンジョルジュ。どんな比較になるのか胸が高鳴る。
 
まず見た目。おいおい、これがブルゴーニュ赤かよっていうような、濃い濃い紫色。ピノ・ノワールとしては、やや青紫色がかっているかもしれない。香りはすっごいプラム。梅~!っていう香りがして、先日のフランボワジエールと比較するとベリーの香りよりも梅っぽさが優勢だ。
 
口に運んでみると、甘酸っぱいのは相変わらずながら、苦みとコクがあり、ジュヴレ・シャンベルタン……とまではいかないにせよ、立体性がある。かといって、若飲みしすぎた高級ワインのように近寄りがたいのでなく、親しみやすさはしっかりあるし、メルキュレならではの森っぽさ、ベリーっぽさは健在。フランボワジエールと比較すると、あちらがキュートさと華やかさを前面に押し出しているのに対し、こちらは「なんちゃってジュヴレ・シャンベルタン」といった、背筋の感じられるてい。好みはあちらだし、ワイン初心者に薦めるのもあちらだけど、ワインとして優れているのはこっちじゃないかと思う。
 
※翌日、ロベール・シュヴィヨンのニュイ・サンジョルジュ一級と対決。こちらのほうが俄然濃いワインであること、あちらがクラシックなつくりにして存在感ある一級であることが判明する。じゃあ、こちらはやられっぱなしだろうか? そうでもない。このワインはプラムの勢いが強く、メルキュレだけあって森の香りがやっぱり深い。余韻の長さ、香りのバリエーションではさすがに一歩譲るも、こちらがそれほど散漫とまでは思わないし、森の香りの個性がしっかりしている。これも良いワインだし、一級だけあって集中力においても一定程度ついていけている。格上の本家筋を相手にいい勝負をしている。やっぱり優れたワインだ。
 
※三日目になって、少し杉やヒノキっぽい、森は森でも針葉樹みたいな香りになってきた。二日目になって勢いを増してきたニュイ・サンジョルジュにはさすがに伸びで及ばなくなったけど、それはもうしようがないことだと思う。