北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2571】Produttori del Barbaresco Reserva Muncagota 2014

 
プロドゥットーリ デル バルバレスコ /  バルバレスコ リゼルヴァ ムンカゴタ
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、バローロバルバレスコ系のワインのなかではお手頃なので長らく付き合い続けているバルバレスコ生産組合の、畑名入りリゼルヴァ、そのひとつムンカゴータ。このムンカゴータは2019年に飲んで美味かった記録があり、それで再戦してみたもの。今回もだいたい10年ほど経った品なので前回のようなアタリであって欲しいと祈りつつ。
 
まず抜栓。コルクの裏は素晴らしい紫色になっていて、甘い香りに加えてなんらかの揮発臭も混じっていてとても良い感じだ。そこからグラスへ。まず色、うわあ薄い。そして茶色にかなり寄った色合いだ。赤褐色をしていて、いかにも歳月を経た感じ。しかし、グラスに注いでしばらくしたら少し色が濃くなった気がする。香りは、すごい揮発臭が鼻を圧するかのようにドーンと飛び込んでくる。コルクから感じられた甘い香りとはまた違った、ラッカーがもっと食べ物っぽいにおいに変わったようなやつ。さらにコンポートみたいなあまーい香りも伴っている。
 
口に運ぶと、しっかりとした果実味で強烈な酸。タンニンがある程度残っているから、結構ギシギシしている。このギシギシ感はネッビオーロ! でもそれだけじゃなく、かつおだしみたいな旨味とさっきの甘い香りとが長く口から鼻にかけて残る。すると香りも違った顔つきをみせてくれて、コンポートよりもっと瑞々しい果実っぽい甘い香りに転じて、そこに水飴のニュアンスを伴っている。ここで前回の記録を読み返して「アーモンド」とあって、なるほど納得、このなんらかの揮発臭、アーモンドっぽいわけか、確かにアーモンドだ。夕食の牛肉料理や鯖缶詰サラダなどと合わせると俄かにワインがますます輝き、サクランボ風味やらお汁粉やらがめくるめき、意外にも、鯖缶詰サラダともある程度の調和をみせている。食べ物と一緒にあるとグッと輝くワインだ。
 
※翌日。香りに鉄砲漬けみたいなニュアンスがぐっと強まって、ポマール一級リュジアンとか、出来の良い熟成ブルゴーニュみたいなパワフルで高そうな香りがぶわーっと強まった。それでいて昨日よりもワインに包容力があり、まるっと包み込んでくれるかのよう。それと胡椒が炸裂しまくっている。なんか良くなっているぞ? やっぱりこのワインなんだかいいな。バルバレスコとしてどこまで理解できているかわからないけれども、今後もこのメーカーをあてにし続けようと改めて思う。