北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1609】Piero Mancini Vermentino di Sardegna 2016

 
ヴェルメンティーノ ディ サルデーニャ 2016 ピエロ マンチーニ
 
 くたくたの日になると、質の良いイタリア安白ワインが欲しくなる。で、いつもニコニコのサルディニア産のヴェルメンティーノ種のものを選んだ。
 
 色は、白ワインとしていかにも普通の色合い。緑色にも、山吹色にも傾かないような色合い。香りは、初手はあまり良くない……コルクっぽい匂いがする。その奥から、蜜の匂いがして、この品種に期待するような爽やかな緑色の香りがあまりしない。
 
 口をつけると、緑色の味というか、ハーブが効いて、台所洗剤やライムを思わせる柑橘系の爽やかな酸味と甘み、そして苦みがワーッと来た。これこれ、これが気持ち良いんだよね、ヴェルメンティーノは。ずいずいと呑めてしまう。でもって、スカッとした炭酸系のミネラルがこみあげてきて、これまた期待通り。値段に見合ったヴェルメンティーノかと問われるとはてさてだけど、まずはあって欲しいものをみせてくれた。
 
 ※翌日、少し酸っぱさと炭酸系が勝ってしまってワインがやせたように感じた。初日にざくざくっと飲んでしまうものだったかもしれない。
 

【1608】Santa Carolina "Santa by Santa Carolina" Sauvignon Blanc/Chardonnay Chile 2016

 
サンタ・バイ サンタ・カロリーナ・ソーヴィニヨン・ブラン/シャルドネ
 
 このワインは、料理用に買われてきた激安白ワイン。でも、せっかくなので味見をしてみましょう。
 
 まず見た目。普通の白ワインか、ほんの少し緑色がかっているかぐらい。香りは、ソーヴィニオン・ブランが頑張っているのか、トロピカル&フルーツポンチ系の香りにハーブっぽい薬草が乗っかって、なかなかに良い。少しメロンの皮臭くあるかもしれないけれども、むしろ品種の良いところが出ている感じで嫌悪感はわかない。
 
 口に入れてみると、概ねソーヴィニオン・ブランなんだけど、シャルドネが混じっているせいか、空洞感があまり無くて、果実味の芯があるように感じられる。安物のソーヴィニオン・ブランは、しばしば、ふくよかではあっても芯が足りない感じがあるんだけど、こいつは意外と芯がシャルドネによってカバーされているっぽい。最安価格帯にもかかわらず、減点ポイントが少なく、品種の良いところがカヴァーされあっていて巧い。何杯も飲んだらきっと飽きるだろうけど、グラス一杯ぶんはセーフ。居酒屋の安グラスワインとして出てきたら、「おっ旨い」と思うんじゃないかと思った。
 
 

【1607】Argiolas Perdera 2013

 
ペルデーラ 2014 アルジオラス
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 今日は疲れてしまって、何か、元気の出るワインが欲しくなった。こういう時は、安ワインはもとより、知らないメーカーのものはなるべく選びたくない。ということで、これまでも元気をわけてくれた、サルディニア産の土着品種ワイン、信頼のアルジオラスのワインを選ぶことにした。
 
 まず見た目。少し茶色がかって、黒ずんだ色合い。不透明……とまではいかなくても、グラスの底を見通すのは難しい。香りは、やや籠っているところはあるものの、チョコレートの風味がメイン。果実の香りも相まって、とても包容力のある匂いと感じる。
 
 口に含むと、まずミルキーな口当たり、そこから漏れるように果実味が溢れてくる。「ぐしゃ」っと口のなかに瑞々しい果実味が広がるようなところがあって、にも関わらず、酸味のきつい方面に流れ過ぎない。ボルドーの安ワインと比較すると、落ち着きは同じぐらいあるけれども、こちらのほうが人を楽しませようとするところがある(ボルドーの安ワインは、良くも悪くも、落ち着きはあっても、ここまで愛想は良くないことが多い)。タンニンも柔らかく、人を威嚇している感じではない。でもって、口のなかに香木めいた風味も少し感じられて、表情もなかなかにある。
 
 抜栓1時間後。爆発的な香料の匂い。ちょっとオリエンタルでもある。そして味にも香料が宿り、そして果実味が猛烈なパワーを帯び始めた。この価格でこの展開は嬉しい。同価格帯のフランスワインに、これほど力強く、これほど親しみやすく、これほど変化をみせるワインがどれぐらいあるだろう?価格を考えればやはり面白いワインだった。
 
 ※二日目。少し、やせてしまったような気がするが、もともと風味のしっかりしたワインなので困るほどではない。そのかわり、ワインに土や苔の匂いが強まった。あいかわらず滋養強壮によさそうな感じだ。
 

【1606】Rocca di Mori "Felena" Salento Bianco 2015

 
[2015] サレント・ビアンコ ”エレナ” (ロッカ・ディ・モリ)
 
 風邪っぽかったので、少しワインを控えていました。久しぶりのワイン。イタリア南部の白ワインは、あんまり値段が張らないけれども剛毅なおいしさがあって割と好き。ただ、いつもお世話になっているのはカンパーニャ州の品で、この、プーリア州のものは滅多に飲んだことがない。この品は、プーリア州の古都・レッチェにあるメーカーだとのこと。さてどんな品なのか。
 
 グラスに注ぐ前に、コルクに驚いた。とにかく長くて立派なやつで、まるで、フラグシップワインじゃないかというような。ちょっと期待したくなる。
 
 まず見た目。とにかく濃くて、黄緑色のような色をしている。粘性率も高く、まったく想定していなかった方向のワインにみえる。香りをチェックすると、白桃のような甘い匂いと、イタリア南部のワインにありそうな爽快感を予感させる匂い、それと、このワインにはオイリーな雰囲気が漂っている。なんだこれは。
 
 口に運んでみると、やはり、スカッと豪快な酸味が口のなかにあふれてくる。ところがそれだけでなく、このワインには黄桃のようなコクを含んだ果実味が伴っていて、ただ酸っぱくて豪快って路線でなく、やけに肉厚だ。こってりとした白ワインで、そのこってり感は高級シャルドネムルソーみたいな)とは違っていて、ちょっと植物オーガニック安物ワインっぽくはある。あまり得手な雰囲気ではないのだけど、そこを豪快な酸味が救ってくれていて助かる。
 
 ※二日目は、肉厚さが削げ落ちて、ちょっとチープな南イタリア白ワインという雰囲気になった。少し、トマトのような雰囲気も宿っている。あまり好きではない方向性の変化ではある。いや、値段を考えれば期待し過ぎか、

【1605】Herve Charlopin Fixin 2015

フィサン 2015 ドメーヌ エルヴェ シャルロパン

 
 今日は久しぶりに3本の赤ワインをブラインドにして、うち一本をあててみる遊びをやってみた。候補として選んだのは、
 
 ・この、エルヴェ・シャルロパン フィサン 2015(ブルゴーニュピノ・ノワール種)
 ・シャトー・ド・ジャック 2012 (クリュ・ボジョレー、ガメイ種)
 ・アルジオラス ペルデラ 2014(サルディニア、モニカ種)
 
 さて、当てられるでしょうか。
 
 グラスに注がれた姿を眺めると、やや青みがかった透明度の高い、黒さのある赤ワイン。キラキラ輝いているようにもみえる。モニカにしては透明度が高いようにみえる。この時点では、モニカ以外だと思っていた。
 
 香りを確かめると、梅系の香りがキューンと来て、それに続いて、いちごミルクのような匂いがこんもりと漂っていて包容力があると感じる。梅系の香りは、ピノ・ノワールを連想させるけど、いちごミルクはモニカを思わせる。この時点では、ガメイにありそうなチープな駄菓子のような甘い匂いは感じられなかった。
 
 口に含むと、酸味は確かにあるんだけど、やけに包容力があっていちごミルクっぽさがとても強い。タンニンはそれなりあるけれども、タンニンなら、どのワインもそれなりにある。今回のピノ・ノワールは2015年産、しかもフィサンが産地なので、タンニンが豊かだからといって否定できず。でもって、タンニンが柔らかい。クリュ・ボジョレーのガメイも、モニカも、タンニンが柔らかいのはあり得る話ではある。さあ困った。香りはピノっぽいけれども、この包容力、温かみはモニカを思わせるところがある。ここで、チープなお菓子っぽい風味がよぎったような気がして、つい、中間を取ってクリュ・ボジョレーにvoteしてしまった。
 
 でもって、ボトルをみせてもらってがっかり。ええ?これピノ・ノワールなの? ボトルを眺めてから飲んでみても、ふっさりとしたタンニンと包容力のあるミルキーな展開で、クリュ・ボジョレーでもあり得るんじゃないの? と思いたくなってしまう。まあ、これはこれでとりあえずおいしいし、フィサンですよと言われるとフィサンという気がしなくもない。威張り散らすようなところがないのも、かえってフィサンらしいといえばらしいかもしれない。どれだけ飲んでも、包容力がなくならず、ピノ・ノワールなのにクリーミーですらある。若干逸脱している気がするけれども、おいしく飲めたとは思う。
 
 なんにしても間違えました。もっと練習ですね。
 (過去の対戦ログを調べ直したら、モニカにしてはこのワインは青色がかり過ぎていて、土臭さが足りないのだった。クリュ・ボジョレーにしても、お線香っぽい香りが足りないとわかった。事前にログを確かめていたら当てられたかも。これもまた悔しい。)
 
 ※二日目は、森の下草系のオーガニック風味を伴い、少し酸っぱくなった。こちらのほうがピノ・ノワール然としている。
 

【1604】Canella Bellini (N.V.)

カネッラ ベリーニ
 
 このワイン、というよりカクテルは、ワインカクテルの大手、カネッラが作っているもの。カネッラのワインカクテルは、生のフルーツ感を活かしているのがウリなので、そういう雰囲気であって欲しいと思いつつの抜栓。
 
 まず、ワインボトルのなかに不純物というか、白っぽい桃の破片がたくさんみられる。ネクターのような不当目な桃色、むしろネクターよりも色が濃い。
 
 匂いは、ワインの香りを押さえつけるほどの桃。生臭いと言って良いほどの桃の香り。口に入れても、桃が強烈で、嫁さんは氷を入れて飲み始めた。まあ、わかるような気がする。しかし、ねっとりとした口当たりと、ガチで桃がたっぷりなところは誉めどころでしょう。桃をふんだんに使った、まさにベリーニの王道、ワインとしてはともかく、ワインカクテルとして考えたら、やっぱりこのメーカーがずば抜けていると感じた。