北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2604】Clos du Clocher Pomrol 2001

 
クロ・デュ・クロシェ ポムロール 2001
※リンク先はヴィンテージが異なります
  
続いて、こちらのワインを。品は2001のポムロール、そんなポムロールを20年以上寝かせる根気はありません。でも、隣のボルドー通のお客さんいわく、「最近のボルドーは若飲みもいける」とのことで、強すぎないヴィンテージの若いボルドーをやってみるといいとか。良いことをうかがいました。
 
で、このワイン、色はさすがに濃い感じでくたってる気はしない。香りは煮豆たっぷりにちょっと(メルロー由来?)のピーマンみがあるところから。とりあえずこの鼻でもにおいがわかって、それも結構いいにおいなのは嬉しい。
 
で、口に運ぶと。立派なボルドーだ! まず押しつけがましくない。果実味も酸味もあるけれどもけばけばしいところはまったくなく、静かに飲ませてくれるやつだ。それからタンニンがとにかくなめらか。この品が? このヴィンテージが? この熟成が? わかりませんが、とにかくテクスチャにおいて優れている。甘味、酸味、苦みのバランスも良く、後味だって立派なものだ。そうこうするうちに、ピーマンの香りが田舎の山菜煮込みみたいな、もうちょっと煮豆と融合したような雰囲気になってきて、これがまた凄い。これは、旨いですよ。こういうのを飲むとボルドーをちゃんとやりたくなるのだけど、まあその、なかなか。でも嗅覚の回復に自信を与えてくれ、飲むほどに冴える気持ちになるとても良いワインでした。
 

【2603】Sylvie Esmonin Cote de Nuits Villages 2005

 
シルヴィ・エスモナン ジュヴレ・シャンベルタン一級クロ・サンジャック 2020
※リンク先はヴィンテージが異なるうえ、ジュヴレ・シャンベルタン一級クロ・サンジャックです。
  
このワインは、よく知らないブルゴーニュのメーカーの作っているコート・ド・ニュイ・ヴィラージュ。コート・ド・ニュイ・ヴィラージュってよわっちいAOCのように見えて、確か定義は結構厳格だったはず。そのワインの、こんなに古いものと遭遇するとは、な感じの品だ。
 
まず色。かなり濃くて、こんな2005ってあったっけ? な感じだ。いまどきのブルゴーニュワインだったら、これぐらい暗くて濃い赤ワインは珍しくないけれど、2005年の段階ではそんなに多くなかったはず。香りは、とりあえずブルゴーニュ赤らしい果実の香り、そのなかでも梅ニュアンスのある香りがなんとか伝わってくる。
 
口に運んでみると、なんとタンニンの荒々しいワインだろう! これが本当に20年近く経ったブルゴーニュ赤? というぐらい鼻息が荒い。味わいは果実味がしっかりしていて、後味もなかなか。タンニンの強さ、それと果実味のしっかりしたところから、ブルゴーニュ赤のなかでもエレガントなグルナッシュに近い雰囲気と感じられる。そこから飲み進めると、キャンディみたいな甘さも含めた、果実味がどどーんとパワーアップして迫ってきてなんだかすごい。嗅覚の不完全な身には、それもまた嬉しい。あと、ブルゴーニュ赤らしい革のエッセンスが感じられるのも久しぶりで良かった。後で聞いた話では、このメーカーさんはジュヴレ・シャンベルタンがお得意で、このワインも畑が割と近いんだとか。そう言われると、ジュヴレ・シャンベルタン寄りの雰囲気かも、と思えるものもある。私はもうちょっとナヨっとしたワインがストライクゾーンですが、でもこれおいしかったです。
 

ワインの記録が2600回を超えた

 

 
ワインの記録が2600回を迎えたこの時、諸般の事情で嗅覚が破壊されてしまいました。
におわない。相当におわない。この文章を打っている段階では回復のきざしがあるし、力のあるワインのなかには嗅覚をいくらか刺激するものもあります。でも、香りが封じられるとワインの魅力は半減どころか四分の一ぐらいにはなっているかも。日に日に回復はしているので悲観するつもりはありませんが、飲む・食べるという道楽が嗅覚破壊によって乱されるのはなんと恐ろしいことなんでしょう。健康維持を考えながら飲まなきゃと改めて思う2600回記念となりました。
 

【2602】Domaine Georges Vernay Cote Rotie ”Maoson Rouge”2009

ドメーヌ ジョルジュ ヴェルネ コート ロティ メゾン ルージュ 2001
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
さて、宴たけなわとなって、アルコール耐性が弱っているためか、結構酔いが回ってきた。おなかもいっぱい、そんなところにピジョンとか出てきたらもう幸福爆発です。そのときに相方となったワインが、このシラーメインの2009年もの。
 
色はまず普通に赤ワインしているけど、ここまで来るとあまりよく覚えていない。これも、嗅覚破壊をこえるほどの香りには至らない。しかし、酸味がなが~い余韻で、なおかつきれいだ。酔いが回らず、嗅覚さえ生きていればさぞ楽しみだったろうと思える一本だった。
 

【2601】Francois Millet et Fils Cote du Jura l'chenaud 2019

 
item.rakuten.co.jp
 
続いて出てきたのは、ブルゴーニュでワインを作っていたフランソワ・ミエさんのジュラ産ワイン。ジュラのワインは当然ノーマークでした。
 
こちらは色が少し山吹色に近く、香りは再びわからなくなった。口に運ぶと、かなりしっかりとバターみがあり、厚みのある白ワインとみる。酸味も長い、当たり前かもだけど、コッテリ系魚介料理には素晴らしい相性だ。ある人がシェリーみたいなニュアンスがあるとおっしゃったけどそうかもしれない。自分は「ウイスキーくさいタイプのカリフォルニアシャルドネウイスキーくささをもっと良いように改良した風味」とメモに残した。こってりしていて、酸味はしっかり。これはワインマニアのためのワインだ。
 

【2600】Didier Dagueneau Blanc Fume 2017

 
www.ez-wine.com
 
続いてご登場いただいたのは、ロワールでは名の通っているメーカーのシュナン・ブラン系。色はけっこうレモン色をしていて、ここではついに香りが鼻腔を貫通してきた!これはうれしい。少し黄色系果肉も入ったトロピカルフルーツの香りがする! 口に運ぶと、まあ、なんて酸味がしっかり長くてエレガントなんでしょう。こういうエレガントさをブルゴーニュで求めたら結構な水準になってしまうと思う。レモンのような酸味に、少し苦味や渋みの入ったパパイアみたいなものがあるのも良いし、いわゆるミネラル感と呼びたくなるものもある。ロワール白を俄然買いたくなるワインだった。