北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【0078】Le Macchiole Paleo Rosso 1999

パレオ ロッソ 1999

 折も折、よさげな赤ワインとガチンコ勝負してみたいという欲求が膨らんだので、こちらを。このパレオ1999年は、カベルネソーヴィニオン85%カベルネフラン15%という葡萄の組成。有名メーカーの結構なお値段のボトルなので、ガツンと来て欲しいなぁと期待しながらの開栓。
 
 グラスに注ぐと、甘い洋菓子の匂いがフワーンと漂ってくる。バニラ、チョコムース、そして葡萄のフルーティな香りがたっぷり。グラスに注いだ色は赤紫色に少し傾いた、やや不透明なワインレッドにみえる。
 
 ひとくちめは、(葡萄の種類に関係なく)トスカーナ赤ワインにありがちなバターorマーガリン風味と、タンニンがゴツゴツと迫ってくるような感覚。フルーツっぽさや酸味は、五分ぐらい経ってから追いかけてきて、次第に厚みと仲良くしはじめた。口の粘膜〜喉にかけて厚い余韻が残るんだけれど、サクランボっぽい酸味が時々転がり込んでくるので鬱陶しさが無い。香りの甘さとの相性も良く、グラスに顔を突っ込んでから余韻をぼんやりと楽しむまでの一連のプロセスを楽しめた。
 
 野菜と海鮮中心の前菜を終え、肉料理を出してくると流石にワインがいきいきとしはじめて、よく寄り添ってくれる。脂の乗った焼き肉と一緒になると、イチジクやメロンを連想させる風味が先行するようになった。やっぱり食べ物あってのワインだなぁ。食後、おつまみに、国産のチーズを出してみると、チーズがちょっとパワー不足ながらも、ワインのほうは相変わらず元気で、時にカシスのムースのような、柔らかい舌触りと甘みが感じられた。
 
 どことなく女性的な滑らかさを連想させるワインだと感じた。パワフル万歳系のワインが欲しい時には寂しくなりそうだけど、たぶんそういう系統のワインではないのだろう。その辺りをどう評価するのかによって意見が分かれそうなワインではある。けれど、これだけの価格帯なら当然ある程度は美味い筈で、そこから先に何を期待するのか?間違いなく美味くて滑らかな一本ではあったけれども、どうもその辺りのプラスαのポテンシャルを把握しきれなかった気がする。要再戦。