北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2156】Chateau Pesquie "Le Paradou" Grenache 2015

 
Le Paradou Grenache
※リンク先は現行ヴィンテージです
 
このワインは、最近見知ったローヌ方面のシャトー・ペスキエというメーカーが作っているもの。そのラインナップのなかでは一番安い部類で、グルナッシュ単体でできている。酒宝庫MASHIMOでは1200円を切っている。気軽なワインだといいのだけど。
 
まず、スクリューキャップで楽ちん抜栓。暗いガーネット色の、あんまり透明度がはっきりしない、くらーい赤ワイン。香りは、どこか汗臭いジャム風味、または淡い味の赤色果実をジャムにしたような香りが第一印象。その後、深く香りを吸い込むと少し樟脳めいた(いや、でもいつものように線香系と言ってしまうには何か違うような)、なんだか気持ちの良い香りが鼻の一番奥に入ってきた。しばし確かめ、これは、スペイン産のガルナッチャと共通した香りだと気づいた。グルナッシュはすなわちガルナッチャなので、おかしなことではない。
 
口に運ぶと、この樟脳めいた香りがいっそうくっきりと。いやこれ、樟脳って譬えたらだめかな? ニラそのものではないんだけど、ニラとかアサツキとか、ああいう色合いの植物を思わせる風味がある。安物グルナッシュにありがちな、肉やベーコンの風味はあまり強くない。それより、この植物系の香りが心地よい。味も香りも濃いワインなんだけど、そのことを忘れて香りに吸い付けられるみたいだ。タンニンはそれほどきつくなく、酸味も強すぎず弱すぎず。こうした点も香りに夢中になるのに有利なのかもしれない。そうか、この価格帯のグルナッシュでこういう構成もアリなのか。いいワインだと思う。ローヌの赤ワインが好きな人にはおすすめ。
 
※翌日は樟脳っぽさが少し引っ込んだけど、やはり上品さがある。というか下品に流れない。値段を考えればよくつくられている。またいずれ購入してみたい。