北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1868】Argiolas Turriga 2012

 
トゥリガー 2013 アルジオラス
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 さて、このワインはサルディニア島では実質いちばん優れたワインを作っていると要約できそうなアルジオラスが作っているフラグシップワイン。赤ワインで、カンノナウ種(フランスでいうグルナッシュ、スペインでいうガルナッチャ)メインでつくられているとのこと。ということは、割と好みのワインである可能性が高い。ただ、こいつがどの程度のポテンシャルを持ち、どの程度待たなければ飲めたものじゃないのかが未知数。今回、7年経過しているものと対峙してみることにした。
 
 まず見た目。果てしなく濃い赤ワイン色。ワインボトルを横になっている状態から引っ張り出してきたので、おりが舞い上がっているのか、不透明きわまりないブラックな色合いになっている。香りは……すっばらしい梅香。ちょっと桐箱っぽくもあるし、僅かに杉やバニラの気配もある。が、とにかくトーンの高い梅系の香りが来て、それをバニラや桐箱っぽい香りが支えているような。
 
 口に運ぶと、意外に柔らかいアタック。口に含むと果実味がこみあげてくるんだけど、包容力があってつっかかってくるところがない。それでいて、口のなかで果実味がゆっくりと膨張していくようなところと瑞々しさがある。タンニンが上顎にへばりついてくるので、これはワイン慣れしていない人はひるむかもしれない。というか、もっと寝かせろということだろうか。
 
 飲み進めると果実味が朝日のようにせりあがってきて非常に濃い雰囲気になってきた! 口当たりにコーヒー風味が加わり、どこかシガーっぽい香りにもなってきた。かと思えば、トマトジュースみたいな野菜系の風味が盛り上がってくる瞬間もある。これらは、どれも濃い系ワインな記述だけど、それでいて飲み心地から穏やかさが失われないのはとてもいい。なるほど納得。ローヌの高級グルナッシュ系ワインとはまた異なった、しかしこれはこれで優れた姿ではある。明日も楽しみにしていよう。
 
 ※二日目は、ブルネッロを連想させるようなすんごくジャムっぽい展開に。あと、舌触りがすんごくザラザラしてきた。それと葱!葱も来るよ!好みのワインとはちょっと違うけれども総合的にみれば価格にみあった品だと思う。じゃあ同価格帯の好みの赤ワインは何なんだと問われたら「もう少し割安なジゴンダスかアマローネ」と答えるだろうか。とはいえ優れたワインには違いないので、一本ぐらい地下に寝かせておいてもばちはあたらなそう。