北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2324】Chateau Clos Rene Pomerol 1996

 
シャトー クロルネ 2018
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、ポムロールでつくられた20世紀のワイン。ポムロール、ちょっと高いラインからスタートするけど買えばだいたい当たりなので信頼しているけれども、系統的に飲んで理解するのが難しいので、正直よくわからない。でも、わからないなりに喜びや感動が待っているのはポムロールのいいところ。こいつはどんな感じだろうか。
 
まず色。とにかくごつく濃い。ブルゴーニュ赤の後に見ると真っ黒だ! 香りは……うっ……鉄砲漬けだ。漬物は漬物でも、かなり濃いやつ、くせのあるやつ。もう熟成ワインの熟成やりまくったらこうなった感がすごい。キノコとかも感じられるけれども、とにかく、この漬物っぽさの濃さ・すごさが桁外れ。口に運ぶと、やや酸味のある、包容力はそれほど高くない感じ。まあ、とにかくこのワインは香りでぶっちぎっていて、味については細かいことを言う気がしない。飲み進めるうちに、古いタンス、古い桐タンスを飲んでいるような気持ちになってきた。こう書くと何がいいのかわからない人にはさっぱりわからないかもだけど、熟成ワインのありかたとして、古い桐タンスってのは褒め言葉であり、この香りの方面としては、このワイン、完成していると言わざるを得ない。
 
それにしても、現行ヴィンテージで5000~6000円のワインにもかかわらず、熟成を達成した時の香りのクオリティは10000円をぜんぜん越えてくる、この熟成可能性の豊かさはどうだ! ボルドーの中堅って、こうなんだよね。もし地下室があるなら、このクラスのボルドーやブルネッロを大量に保管しておけば、さぞかし幸せだろうけれども、地下室なんてないので、こういう完成した熟成は自分の家ではどうすることもできない。