北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2517】Domaine Faiveley Monthelie Premier Cru Les Champs Fulliot 2019

 
モンテリー プルミエ クリュ レ シャン フリオ [ 2020 ]フェヴレ
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、今となっては最も手頃な価格帯と言えてしまうようになったフェヴレが作っているモンテリ、その一級。2019は若飲みの部類なのだけど、こいつは正規の保存環境ではなく、糖度の高いワインやキャンティクラシコなどと一緒に準保存環境でひと夏を過ごした品。どれだけ旨いかというより、どれだけ痛んでないかの実証試験のようなかたちで抜栓と相成った。
 
グラスに注いで色をチェック。まあ暗い色ではあるけれど、それでも光をすかせばルビー色だし、透明度も高くない。いまどきのピノ・ノワールだ。香りは、プラム系の酸っぱいやつが鼻腔にまっすぐ飛び込んできて、その脇をチョコレートの香りと森の切り株のような香りが固めている。

口に運んでみると、なんともキュートな果実味がキラッ☆とやってきてびっくりする。こりゃまたフレッシュで目が覚めるような感じ、熱でノックダウンしている様子ではない。先日のグラモンのサヴィニ・レ・ボーヌ一級と比較すると、あの多声的なすごい香りに比べるとこっちは地味で、フレッシュさでは勝るけれども素朴なワインではある。そのかわり、あちらに比べてペラペラとした後味でなく、じっくり飲ませてくれる下半身の安定感があり、ちょっとしっとりとしているとも感じる。瞬間最大風速でみれば軍配はあちらにあがるけど、総合力ではどうだろう? なにより、あちらはサヴィニ・レ・ボーヌでこちらはモンテリ、まったく雰囲気の違う村名なのだから出てくるものが違うのは当然。これはこれで立派なワインだと思う。
 
あと、ブルゴーニュうんちくでいえば、この畑はモンテリのなかでもヴォルネ一級クロ・デ・シエーヌの隣の区画なんだという。ところがこのワイン、今までに飲んだクロ・デ・シエーヌたちとは似ても似つかない。どうみてもモンテリだ。こうしてみると、ブルゴーニュの村名と畑名の区割りは相当に厳格で、路地を越えると本当に違う性質のぶどうとワインができてしまうのだと気づく。すげえな、ブルゴーニュ
 
※翌日も下半身安定型、素朴なブルゴーニュ。ものすげーうめー!って感動するほどではなく。