北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2427】Alpha Zeta Corvina Verona 2021

 
アルファゼータ コルヴィーナ 現行
 
このワインは、ソアーヴェ系であるガルガネガ種を使って割り切ったワインを作っていて好感を持った、イタリアはヴェネト州のアルファ・ゼータの品。今回は赤ワインで品種はコルヴィーナ、この品種はヴァルポリチェッラやバルドリーノに使われるもので、歴史的には単一品種でワインを積めることはない。でも、このメーカーのガルガネガを使った品はかなり良い感じだったので、今回のこれも何らかの創意工夫があるんじゃないかと期待しての対峙。
 
まず色合いチェック。なんだか明るくてぴちぴちした色だぞ! 透明度が高く、ひと昔前までのピノ・ノワールみたいな色だ。新鮮なアセロラっぽい果実の香りが広がり、その後グラスに鼻を近づけてみると飴っぽさとニスっぽさの少し混じった、それでも元気の良い甘酸っぱい香りがやってくる。梅系の香りの濃厚な品種たち(ネロ・ダヴォラなどイタリア南部の品種たち、それかイベリア半島のモナストレルなど)とはぜんぜん違っている。こういっては色んな人に叱られるかもだけど、どこかでつくられたピノ・ノワールみたいだ。
 
口に運んでみると、香りのイメージよりずっと濃い口で、バター+コーヒーのようなコクがわっと広がる。じゃあ、果実味が死んでいるかといったら全くそんなことはない。コーヒーとバターを伴いながらも新鮮みはある。さっぱりした顔とコクのある底堅く飲みごたえのある顔があり、ヴァルポリチェッラ系の重たい頂点であるアマローネにはまったく違った、これはこれで飲み心地の良い赤ワインとして眼前に現れている。伝統的なアマローネやヴァルポリチェッラとはイコールでないかもしれないけれども、コスパの良い独自の美味さ。ガルガネガを使った白ワインもいいけど、コルヴィーナを使った赤ワインも優れモノ。おいしいワインが欲しいだけなら、見かけて買って損はないと思う。
 
※翌日はコーヒーやバターが弱くなり、ちょっと普通のしゃばしゃばしたワインに近づいた。これは初日のほうが面白かった。