北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2583】Telmo Rodriguez Pegaso Pizarra 2018

 
テルモ ロドリゲス ペガソ ピサーラ 2019
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
今回はグルナッシュ飲み比べということで、フランスからはザコルのミオセヌ、そしてスペインからはテルモ・ロドリゲスのペガソシリーズのピザーラを用意してみた。こちらの文章は後手であるピザーラのほう。さあ、どんな姿をみせてくれるでしょうか。
 
まずグラスに注いでみる。だいたい同じ品種だからか、ミオセヌと見比べても色はほとんど変わらない。ある程度透過性があって光にかざせば明るいけど、まずまずワインレッドをしている感じだ。こちらもバラ香水のような香りが主体だけど、ミオセヌに比べるとまだ香りの本領を発揮していない感じがする。
 
口に運ぶと、性質の違いが! こちらは口当たりが異様に良い。なめらかなテクスチャからスタートして、その口当たりのなめらかさからアルカリ土類金属的な、(クリュ・ボジョレーの)モルゴンを思い出させる風味がぶわーっと湧き上がってくる。ミオセヌほどの圧倒的な余韻ではなく、こちらのほうが行儀良く、折り目正しくまとまっている感じだ。初手ではミオセヌが威力をもってリードしている感じかな。でも、こういうのは進行状況によって変わってくるのでさてどうだろう。それと土壌や作り手の意図がミオセヌとこちらではかなり違うようにも感じられる。両者、それぞれの美質をみせてくれるといいなと思いつつ、さらにお酒を。これは……いや、酸味もしっかりしているし余韻も長い。香りにザクロみたいな酸っぱいにおいも混じってきた。なんだか楽しいワインだぞこれは? 異様に濃くなって咳止めシロップみたいな顔をすることも。いいワインだ。
 
※二日目。今日は先行。今日もアルカリ土類金属的なニュアンスは健在で親しみやすい。加えて、ワインの余韻が強まり初日のミオセヌにいくらか近づいた感じだ。酸味に精気が宿っているようにも。あちらの変化も良かったが、こちらの変化も良い。楽しいワイン体験となった。
 
※三日目。ちょっとざらざらした口当たりになったかな? ここでもアルカリ土類金属は健在で、余韻は二日目と同じく長い。ミオセヌと比較して、こちらのほうが好みかも。が、あちらのダイナミックさも捨てがたいし、あちらはあちらで変化に富んでいて、甲乙はつけがたい。竜虎、といった感じだ。