北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2582】Domaine des Accoles "Miocene" 2019

 
ドメーヌ・デ・ザコル ミオセヌ
 
このワインは、以前にとても良い印象を受けたザコルのグルナッシュ主体のワイン、ミオセヌ。その2019年版と、テルモ・ロドリゲスのグルナッシュ(ピザーラ)とを飲み比べる会をやることになり、先手はこちら、後手はあちらで抜栓してみることにした。さあ、どうなるだろう。
 
このワインの見た目はまずまず黒々としていて、透明度もそれほど高くない。とはいえ、黒が強いのでなく、あんこ色が濃いのだと思うところもあり、光にかざしてみるとこしあんのような色が透けてみえる。
 
香りは、初手から薔薇香水の香りがばんばん来る。以前はベーコンなどローヌ節が強いと感じたようだけど、今回はブルゴーニュはコート・ド・ニュイの作り手がぷんぷん香らせてくるような、香水っぽさが先立つ。その後ろから、あんこ、胡椒、梅系お線香といった面々が香り立ってくるような。
 
口に運んでみると、うわー渋い!酸っぱい! パニックになりそうなほど渋くて酸っぱいぜ! でも、そこから口のなかにカフェオレの風味が広がってじーーーーーーーんと余韻が長い。こいつ、凄そうだぞ? ハーモニーがある。酸味は梅っぽさとお線香っぽさが溶け合い、そこに薔薇香水も溶け込んでいるような香り高い酸っぱさで、酸味を味わっている間も鼻に香りが抜けてくる。こいつはたまんねえなあ。甘味だってしっかりあるぞ。どうなることやらな状態で、テルモ・ロドリゲスのペガソ・ピザーラと交代。
 
ピザーラに比べるとこちらがパワフルで余韻が力強いため、目立つのはこちら。ただ、あちらはテクスチャの穏やかさとアルカリ土類金属的な土の香りで攻めてくる感じなので、タイプがそもそも異なっているとみるべき感じだ。とはいえ、このワインが力押し一辺倒かというとそうでもなく、飲み進めるなかでまろやかな顔つきをみせたり甘酸っぱい一面をみせたりもする。こうした顔つきの多彩さ、余韻の立派さがなんとも立派で飲みごたえは抜群。ますます好きになってしまった。チャンスが訪れ次第、また買いたいワインだ。
 
※翌日。昨日のことがあるので今日は後手で。しかし前日よりも親しみやすく甘味もあったりするワインになってこれはこれでいい。テルモ・ロドリゲスのほうの変化とはおおむね逆方向に変化した。
 
※三日目も親しみやすい雰囲気。正直、テルモ・ロドリゲスと甲乙つけがたい。とてもいいワインだと思う。