北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2580】Telmo Rodriguez Bodega Lanzaga Rioja 2021

 
テルモ・ロドリゲス ボデガ・ランサガ エレセッタ [2021]
 
このワインは、テルモ・ロドリゲス系列のワインでカリニャン主体でつくられている。どうせ飲むならメーカーが信頼しているところから開始するのが良いだろうと思い、こいつに手を出した。ところが購入した後、これがカリニャン主体でなくテンプラリージョ等をブレンドしたワインであることが判明。まあいいや、有名どころが作っているテンプラリージョブレンドを飲んでみましょう。
 
これまた濃いワインですね。ひたすら濃いのと、ひたすら不透明なのと。カラースペクトルはやや青紫色側に寄っていて、久しぶりだなと感じる。グラスに注ぐ段階で、ちょっとヴァイオレット寄りの果実の香りと木材みたいな香りが鼻をよぎった。グラスで香りを確認すると、いやいやヴァイオレットじゃあないな、少なくともキアンティ・サンジョベーゼ系にありがちなああいうのとは全く違う。梅ジャムっぽさよりもう少し赤福に寄ったようなにおいがする。キューン!とした果実の香りがなかなか良い。ここでは、あまり木材みたいな香りは漂ってこない。
 
口に運ぶと、うわーキューン!とした果実の香りにふさわしい、圧倒的すっぱ果実、圧倒的酸味。タンニンもあるにはあるし、苦みもある、コーヒー系コクだって要素としてある、でもそれらを圧する第一印象は目が覚めるようなすっぱ果実味。色合いも手伝って、スモモを連想させるものがある。しかし、その第一印象を通り過ぎると、豊かな果実味の足元にあったエッセンスに目が向く。タンニンはしっとりしているけど後味にふさふさと漂ってくる。果実味とよく連結した苦みには少しアルカリ土類金属的な風味があって、なかなかうまい。そうした苦みを楽しんでいる間にも、口のなかに果実由来の酸味がじわーっと残っているのがまたいい。そしてタバコ。後味にふわっとタバコが来る瞬間がまた良い。これ、結構いいワインじゃないか。
 
※翌日は、森の切り株みたいな迫力ある香りがむんむんと。ちょっと歳を取ったボルドー系なんかみたいな雰囲気でこれもいい。なにこのワイン。チャンスがあったらまた対峙してみたいぞ。