北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【1944】Vignerons Ardéchois Les Classiques Viognier 2018

 
www.vivino.com
 
 どんな土地でも、ワインのある限り飲んでみるという精神で、熱帯遠征の際にこれと思って入ったワインバーにて、見たことのないヴィオニエがグラスワインでエントリされていたので選んでみた。ちなみにソーヴィニヨンブラン二種類、このワイン、南アフリカシャルドネがエントリされていた。熱帯エキゾチック料理に合わせるならどれか? ソーヴィニヨンブランは好みじゃないし、シャルドネよりはヴィオニエでしょう。お値段、グラスワインで600円ぐらい。当地の飲み物としては高いけれども、グラスワインの価格としては当地のなかではとても良心的。
 
 このヴィオニエ、まず色は黄金色でなかなか見栄えがいい。水仙ヒヤシンス系の香りが華やかながら、ちょっと味は平凡、酸味もあるんだけど特筆するほど後味が良いわけでもない。ただ、トリピカルな海鮮スープなんかには付き合いが良い。ハッピーアワーなのでと一杯の値段で二杯もいただくことができた。ありがたい、おいしい。
 

【1943】Dominique Piron Morgon Cote du Py 2015

 
モルゴン コート デュ ピ 2015 ドメーヌ ドミニク ピロン
 
 ボジョレーヌーボーの季節は逃してけれども、寒くなってくるとボジョレーの少し良いやつが欲しくなる。で、今回は贔屓にしているモルゴン地区のワイン、メーカーはたぶん初めて。
 
 まず見た目。これがボジョレー?というほど黒黒としていてちょっと不透明。ワインのあしも長く、粘性度が高いとみた。香りは、ボジョレーヌーボーとは全く異なった、香料全開、そしてアルカリ土塁金属、ちょっと金属っぽさを感じさせる土の香りがもわもわとこみあげる。ニスやマジックインキのような揮発性の高い香りがそれらの間をとりもっている。
 
 口に含むと、滅茶苦茶濃い!やたら濃度が濃い、というか押し出しの強い果実味が。舌にたっぷりと残る土類金属的、ミネラル的な後味も相まって、なにか果実味の棒を口のなかにねじ込んでくるような剛直さがある。口当たりにイチゴミルク的なやさしさがあるのだけれど、他方で香料のきつい風味と相まって、なんとも不思議な、しかし良い赤ワインにしばしば見かけるような調和がある(こういう調和は、具合の良いキアンティ・クラシコボルドーの赤に割とよくある)。この飲み心地の良さと土やミネラルのフレーバーのおかげで、ボジョレー系とはちょっと想像のつかないような、腰の据わったワインになっている。ひょっとして、2015年はボジョレーも当たり年なんだろうか。とてもいいです。
 
 ※二日目は、初日よりも香りも味もこじんまりとした感じになった。癖がない、とは言えるけれどもそれではこのワインの面白さは少なくなってしまうわけで、初日のほうがよかった。
 
 

【1942】Glenelly "Glass Collection" Cabernet Franc 2016

 
グレネリー グラスコレクション カベルネ フラン 2016
 
 このワインは南アフリカでつくられたカベルネフラン種のワイン。カベルネフランでつくられたワインは、うちではブルゴーニュ系のグラスで飲んでいた気がするので、とりあえずそうしてみることにした。このワイン、スクリューキャップなのは助かる。
 
 まずグラスに注いでみる。ちょっと青紫色っぽく、あと、なんだろう、ドボドボ注ぐ時にネオンのような蛍光色っぽい明るさを帯びていると感じた。ただ、グラスに注ぎ終えてみると暗くてやや不透明なレッドワインという感じになる。香りは、強烈に牧草&鉛筆が。とても爽やか&鉛筆でこれはカベルネフラン!その奥からチョコレートと葡萄果実がおずおずと。
 
 口に含むと、甘酸っぱいチェリーががっつりと来て、そこにやっぱり鉛筆と牧草が寄り添う。タンニンはそれほどシビアではなく、口のなかいっぱいのチェリーと、鉛筆と関連してか、ざらっとした飲み心地がまたいい。チェリーにはちゃんと酸も乗っていて舌の真ん中を酸がするすると通り過ぎていく。これはお買い得なんじゃないか。このシリーズ、注目してみよう。是非また飲みたい。
 
 ※二日目。やや鉄っぽくなってがっしりした感じになった&牧草っぽさが遠のいたけれども基調は同じ。おいしいカベルネフランでした。
 
 

【1941】Torbreck GMS Old Vines Barossa Valley 2015

 
トルブレック G.M.S オールド ヴァインズ 2016  
 
 このワインはオーストラリア大手トルブレックが創っている知らないワイン。値段から言って、この価格帯にトルブレックはワインを創っていなかったはず。ということは、新たにつくられた低価格帯? そんなワインなのに、ラベルには「Old Vines Grenache Mourvedre Shiraz」と記されている。ぶどう品種がわかるのはいいとして、はて、Old とは。
 
 まず見た目。黒々としていてカシスリキュールめいている。さすがに本物のカシスリキュールに比べれば、青紫っぽさが少なく赤みが強いけれども。香りは、プラム系の香りがぷわーんと力強く漂ってきてほんのりベーコンの香りを伴っている。ローソクっぽい揮発臭も。これらが相まって、パッと嗅いだ感じだとローヌ地方、特にエルミタージュに似たつくりと感じる。
 
 口に運ぶと、これがまたアルコールの猛々しい、フルーツ&アルコール爆弾。フルーツ爆弾という言葉をワイン好きがよく使うけれど、こいつはフルーツーサングリアーリキュール爆弾といった趣で、吐く息にアルコールの熱が宿るような感じがある。じゃぶじゃぶとした果実味、おだやかなタンニン、きついアルコール、そして口当たりの滑らかさと、なんだか悪魔めいた飲み物という感じもする。
 
 新世界ワインの、この価格帯の濃い系品種にあって欲しいものが揃っているんじゃないだろうか。なんかいろいろあっておいしく飲んでいるうちに、なんと飲みきってしまった。ワインは立派だったけれども飲みきっちゃうのは良くない良くない。
 

【1940】Vigneti Zabu Sicillia Grillo 2018

 
ザブ グリッロ 現行ヴィンテージ
 
 このワインはシチリア産の安い白ワイン。品種はグリッロ、このグリッロという品種は割と安くてもおいしいデイリーユース向きのワインだったと記憶している。たぶん、これもそんな感じだろうと見当をつけての購入。
 
 まず見た目。金色に輝いていて、まるでちょっとリッチなシャルドネリースリングのよう。で、香りはスイカズラやヒヤシンスのような、クールで花蜜っぽい、さわやかな香りがグラスいっぱいに広がって幸せ。これはうまそうだ。
 
 口に含むと、ちょっとネギっぽさ&ミカン水っぽさを帯びた酸味(石灰岩のようなフレーバーも含む)が爽やかに抜けていく。花蜜系の風味を反映してか、ミントの葉を溶かし込んだワインのように感じられるところもある。それでいて、メロンやびわのような、少し色の濃い果物のようなイメージもわいてくる。イタリア土着白ワインのいいところがいくつも重なり合っている印象。この価格帯のワインとしてはよくできているのでは。とてもおいしくいただいた。
 
 ※二日目。石灰岩系やネギっぽいフレーバーは少し弱くなってしまった。初日のほうが迫力がある。それにしてもお買い得なワインではある。
 

【1939】Domaine de la Vierge Romaine Bourgogne Pinot Noir 2017

 
ブルゴーニュ ピノ ノワール ドメーヌ ド ラ ヴィエルジュ ロメンヌ 2018 ドメーヌ マシャール ド グラモン
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
 まず見た目。朱色の明るい感じの赤ワインで、とっても透明、ブルゴーニュ赤らしさがあっていいと思う。香りは革製品のやつがすごく強い。その奥から煮豆とアセロラを混ぜたような濃い香りが来るけれども、とりあえず革っぽさ全開、平格ブルゴーニュ節がきいている。
 
 口に運ぶと甘酸っぱいアセロラ&煮豆!おばあちゃんがカボチャと一緒にコトコト煮る、あの小豆感をこいつは伴っている!革の香りもよぎるけど、まずは小豆、そして後味はアセロラの甘酸っぱさ。好みではないけれども、こういう平格ブルゴーニュが存在するのはよくわかるし、これはこういう趣向だと受け取っておこう。
 
 ※二日目は、もう少し小柄になったけれどもだいたい同じ。でもって飲みきってみて思ったけれども、このワインはちょっと一本調子だったかもしれない。