北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2135】Chateau Pesquie Terrasses Blanc 2017

 
【シャトー ペスキエ】 テラス ブラン [2017]
 
フランス産のヴィオニエやルーサンヌで作られたワインはぜんぜん飲んだことがない。でもこのワインは相対的にお買い得という話も聞いたので、値段が安めのこれをまず買ってみた。
 
まず見た目。あまり濃くない、少し緑色がかった白ワイン。香りは、ヒヤシンスとかそういう爽やか系の花の香りがぷんぷんする。典型的なシャルドネや南国系白ワインとはだいぶ違う雰囲気だけど、とても望ましい香りだ。
 
口に運ぶと、植物の精気のような雰囲気を伴いながらスースーする酸味が来た。柑橘類でいうならユズに近い甘酸っぱさに、ハッカのようなスースーさ。口当たりはトロトロとしていてボディもしっかりしている。ヒヤシンス系の花の香りがハッカのようなスースーさや精気と合わさってすごい雰囲気を作っている。デイリーワインとしてはとても良い。明日も楽しみにしていよう。
 
※二日目。味や酸味は昨日に近いのだけど、香りがトーンダウンしてしまった。とはいえデイリーとしては悪くない。デイリーな白ワイン候補として有望と感じた。
 

【2134】Au Bon Climat Santa Barbara County (ツバキラベル) Pinot Noir 2018

 
オーボン クリマ ピノ ノワール サンタ バーバラ カウンティ ツバキ ラベル 2018
 
このワインは、カリフォルニアでは割とよく見るオーボンクリマのピノ・ノワール。飲むのは久しぶりで、なんと2012年から飲んでいない。当時のコメントはそっけない。どんなワインだったっけ。
 
まずグラスに注いでみると、びっくりするほど薄い。ウズラ色とかいわれるような、朱色にかなり近い、透明度の高いワイン。本家ブルゴーニュピノ・ノワールでも、最近はここまで薄いものってあんまりなんじゃないか。香りは、抜栓した瞬間に梅系の香りがぱーっと広がって派手。でもって、よく香りをチェックすると梅、イチゴミルク、イチゴチョコレート、そんな感じのうきうきする香りがどんどん上がってくる。前回は獣っぽい香りがしたと書いてあったけど、この段階ではぜんぜんそうじゃない。
 
口に運んでみると、甘さは控えめでビター、この品種にしてはタンニンがばっさばっさしている。コーヒー的でコクがあり、新世界のピノ・ノワールらしさがある。味の傾向としてはチリ産のものに似てるかもしれない。でも香りはうきうきしている。このことに違和感をおぼえるより、これはこれでそういうワインという風采になっている。飲み進めていくと、ほんのり化粧箱のような香りも漂う。ちょっとビターみとコーヒーっぽさが強すぎて好みではないけれども、頑張って良い風味に寄せようとしているのは理解できる。
 
※翌日も、梅を軸とした香りとほんのり化粧箱。昨日とそれほど変わらない。で、二日目になり、このコーヒー&ビターに足りない要素として「酸が足りない」ということに気づいた。たとえば出来損ないの二流~三流メーカーのブルゴーニュ赤と比較すると、このワインに足りない要素は酸だ。逆に言うと、酸以外の要素はかなりちゃんとしていると思う。酸があまり好きでなく、新世界風味が好きならこれはアリだと思った。
 

【2133】Emilio Bulfon Forgiarin 2018

 
フォルジャリン 2019 エミリオ ブルフォン
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、エミリオ・ブルフォンというイタリア北東部の土着ワインメーカーが作っている、土着ワイン。Forgiarinという品種はまったく聞いたことがない。でもイタリアワインが好きならこういう土着ワインを避けてとおるのももったいないわけでやってみることにした。が、グラスは何がいいんだろうか。とりあえず、あまり高くないほうのブルゴーニュグラスで飲んでみることにした。
 
まず見た目。わりと標準的な赤ワインで、赤茶色側にも青紫色側にも偏っていない。透明度は高く、若いピノ・ノワールみたいにもみえる。香りは、イタリアのサンジョベーゼ種(キアンティ系の品種でもある)に目立つ軟膏・スミレ系の香りとかなり強い梅ジャム系の香りがつーんと鼻に飛び込んでくる。あと、このワインからは少し土っぽさが感じられる。
 
口に運ぶと、甘さ控えめ、香りに比較してジャムがジャムジャムとこみあげてくる様子ではない。かといって果実味が存在しないかといったら全然そうではなく、サンジョベーゼと同等かそれ以上に果実味が自己主張している。重たいワインではないんだけど、飲み心地がとても落ち着いている。飲み心地の落ち着いたワインといえば、安ボルドーなど思いつくけど、安ボルドーと比較すると、このワインの構成要素として果実味の占めるウエイトは大きいと思う。にもかかわらず、飲み心地がしんとしている。変わった赤ワインだ、でも決して悪い感じではないぞ。
 
※二日目。しんとした感じが薄れて、普通に果実味がメインの赤ワインとなった。これは初日のほうが面白い様子だった。
 

【2132】Thomas Barthen Barthen Kestener Paulinsberg Spatlese 2017

 
ケステナー パウリンスホフベルク リースリング シュペートレーゼ 2017 トーマス バルテン
 
このワインは、ドイツはモーゼル地方でつくられているリースリング種、シュペートレーゼ。自分の知る限り、ドイツ、なかでもモーゼルで地方つくられるシュペートレーゼ種は結構な値段がするはずなのに、こいつは2000円を切っていた。値段的に大丈夫なんだろうか。今日は結構疲れているので、疲れのとれるようなワインが欲しいのだけど、この価格だとおおはずれもあるかも。心配。でも飲んでみる。
 
まず見た目。ちょっと緑色がかった薄い白ワイン色。いかにもリースリングという感じがする。ただし、これはシュペートレーゼとしてはいかにも薄く、若々しい。でもって香りもライターのオイルみたいな香りがかすかにある程度で、蜂蜜や南洋フルーツ系といった甘口リースリングにありそうな香りは乏しい。
 
口に含むと、爽やかな甘味が駆け抜けていく、いかにもドイツ産の中甘口リースリング。ところが、爽やかな甘口に加えてありそうな蜜っぽさやストラクチャーがこのワインには乏しい。でもって気泡が少しあるせいか、チリチリとした舌ざわりがある。このチリチリが中途半端で、(微)炭酸ワインとまではいかないけれどもスティルワインともつかない感じで、あまりいい感じとはいえない。総じて、モーゼル地方のシュペートレーゼとしてはいろいろ足りないものがあり、同価格のドイツ産中甘口リースリングとしては標準的でもそれ以上のものではない感じだった。今まで飲んできた記憶と照らし合わせると、モーゼルというよりラインヘッセンのシュペートレーゼが比較対象として近い。
 
※翌日。なんか風味が少し弱くなり、かつ、微炭酸は健在。結果として気の抜けた甘いビールみたいな良くないポジションに落着した。昨日はまだ飲めたけどこれはちょっと(´・ω・`)
 

【2131】Palvin Campagna Bianco IGP (N.V.)

 

 
 このワインは、カンパーニャ州でつくられている品種、ファランギーナをメインとする土着品種ブレンドワイン。カンパーニャ州では有名なマストロベラルディーノのボトルに雰囲気が似ているので、買ってみた(赤も買ってある)。しかし買った後に気付いたのだけど、このワイン、ヴィンテージが書いてない。ということはノンヴィンテージってことか。まずここが引っかかりどころだった。
 
 まず見た目。少し気泡が混じった、薄い白ワインの色。あまり高くない白ワインを買ってきたらこれぐらいの濃さだろう、という感じの。香りは、白系の花がいっぱい咲いているような爽やかな香り。いや、もう少し水耕系の花の香りに近いかな。スーッとしたハッカっぽさ、またはスイカズラ系ってこんなのじゃなかったっけ?と言いたくなるような独特のフレーバーがある。値段を考えれば香りがとてもいい。
 
 で、口に運ぶと。ネギと紫玉ねぎの間みたいな、ワインを評価するうえで良くない風味がする。酸味にくわえてシェリーっぽさもあるかも。あと米酢。このワインの酸っぱさは酢っぽさを伴っている。いったいどうやって作ればこういう味になるのか? 劣化か?
 
 このワインのセパージュを確認すると、ファランギーナとコーダ・ディ・ヴォルペ(これは、南イタリアでは大したことのない白ワイン品種。略)でできているとある。この香りの良さはファランギーナとしてわかる気がする。でも味はどうなんだこれ。コーダ・なんちゃらが足を引っ張っているんだろうか。それと、良くできたファランギーナは酸味がもう少しカンパーニャ風というか、ゴワっとした酸味があり、爽快だった気がするけど、こいつは玉ねぎ・酢系で、酸味のくせになんだかニチャニチャしている。飲み進めてみると、白ワインとしてはボディがしっかりしていて、且つ空洞っぽくない長所を持っていると気づいたけど、どうにも酸の据わりが悪い。カンパーニャ州の安ワインとして期待していたけど、ちょっと違う感じ。
 
※二日目。やはり酸が悪い。香りもどこかへ行ってしまった。酸が悪いのでこれを白ワインとして肯定するのは難しい。料理にも向かないのではないか。このメーカーの赤ワインがまだ残っているのでちょっと心配。
 

【2130】Louis Latour Bourgogne Rouge Cuvee Latour 2018

 
ルイ・ラトゥール ブルゴーニュ・ルージュ キュヴェ・ラトゥール [2018]
 
このワインは、ルイ・ラトゥールが作っている平格ブルゴーニュのひとつ。ルイ・ラトゥールは平格を二種類作っていて、これはちょっと格上のCuvee Latourという愛称がついている。格下の品は、過去に飲んでイマイチだった記憶がある。でも、こいつはどうだろう。割と飲んでいるつもりでいたけど、なんと約8年ぶりの対峙。こういう、大手の平格はヴィンテージについて考えるチャンスなのでこれからはもっと意識していきたい。
 
で、屑コルクを抜染すると、革製品のような香りと木の枝っぽさを連想させる香りを帯びた、あまり値段の高くないピノ・ノワールらしい香りがぶわっと来た。革製品っぽい香りは、平格ブルゴーニュっぽくもあるけど、記憶のなかではチリ産のピノ・ノワールにも紛らわしいものがあったような気がする。少なくともこのワインを嗅いだ時に、そういうことを思い出したりもした。
 
口をつけると、穏やかな葡萄フレーバーに加えて革製品っぽい香りが鼻腔に来る。酸味はちゃんとあるけど口当たりはまろやか、舌触りがやわらかで、記憶のなかにある同社の格下の平格ブルゴーニュに比べて痩せぎすな感じがしない。もちろんこれは格がどうこうだけでなく、ヴィンテージが絡んでいる可能性もある。2018年のブルゴーニュ赤なんて飲んだことはないので、それはわからない。なんにせよ、こいつは、ひたすらに革と酸っぱさが来てタンニンもがしゃがしゃの、そういうだめなピノ・ノワールではない。格下の品との価格差は600~800円程度だけど、なるほど完全に別物。コスパ抜群とは言えないけど良いブルゴーニュだ。
 
※二日目は、舌ざわりのやわらかさが少し減ってしまった。初日に飲んでしまいたいけど、我が家でこれを初日で飲むなど到底無理。