北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2216】Luciano Sandrone Dolcetto d'Alba 2017

 
ルチアーノ・サンドローネ ドルチェット・ダルバ 2017
 
このワインは、バローロ系のワインで知られるルチアーノ・サンドローネが作っているドルチェット。ドルチェットはバローロの材料になるネッビオーロのような高貴な品種ではなく、なんというか、ピエモンテの地酒品種という位置づけ。これが、ウメムラさんでめちゃくちゃ安く売られているのを見つけてしまい、購入してしまった。やや冷えている状態で抜栓。
 
見た目は、やや青紫色がかった、透明度の低い黒々としたワインレッド。で、香りはぶどうの皮のような、素直な香りがほっこりと。口をつけると、まさに葡萄酒!といった非常に素直な味。冷えているのがかえって美味いぐらい。難しいところは何もなく、非常に素直なつくり。美味い! このワインのライバルになるのは、たぶんモンテプルチアーノ・ダブルッツォになるんだけど、モンテプルチアーノ・ダブルッツォの安物にはタンニンと酸味のバランスの微妙な品や田舎っぽい雑味のあるものがあり、これはそういうのとは無縁。後味の段になると、マスカットのような芳香を伴うのもいい。とにかく、ワインというより葡萄酒という言葉がふさわしい一品。葡萄酒然とした品が欲しい人で、甘口を避けたいならこれは大あり。
 
※翌日も、とにかく純粋に葡萄酒していて飲み飽きない、疲れない。デイリーワインとして非常に優れている。
 

【2215】Offley LBV Porto 2005

 
オフリー ヴィンテージポート 1985
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このポートワインは、マカオに行った人がおみやげとしてくださり、十年以上放置してきた品。ポートワインとしては若いかもだけど、我慢できずあけてみることとなった。
 
赤茶色のものすごく濃い、不透明なワインレッド。普通の赤ワインとははっきりと見た目が違っている。グラスに注ぐと甘ったるいざらめのような香りと、ケミカルな香りがぶわーーっと部屋じゅうに充満。グラスに鼻を突っ込むと、漆喰のような香りとアルコールのすごい香りでむせてしまった。
 
口に運ぶと、ぐわーっと甘い。ザラメと漬物、なめらかトロトロ口当たり、そしてホカホカだ。飲むと食道までカーッと熱くなる。これまでに飲んだ高級&超熟ポートワインたちに比べると、香りのニュアンスの複雑さは劣るけれど、美味さとスケールでいえばいい勝負をしている。こんな濃さでは一日二日では到底飲み切れるものではないので、何日もかけてゆっくりいただくとしよう。
 
※何日経ってもうまい。ちょびちょび飲み続けて二週間ぐらい飲んだ。終わりのほうはかなり血っぽい感じが強まって、アルコールぶんが和らいで、だいぶ違う顔になった。二週間の間に呑み心地が変わっていったのもgood。このクラスのポートワインを数本買って室温保管してみるのもいいかもしれないと思った。
 
 

【2214】Cusumano Shamaris 2019

 
クズマーノ シャマリス 現行
 
このワインは、シチリアでお買い得ワインをたくさん作っているクズマーノの白ワイン。ここは色々な名前のワインを作っていて、ときどき見知らぬワインに出会ったりする。これもそのひとつで、こんな白ワインあったっけ? な品。 どんなブドウ品種なのかなとサイトを確認すると、なんとグリッロ100%とある。グリッロはシチリアの土着品種で、以前の別メーカーの品の記録を確認すると、ネギ、ミカン水、ミント、ビワ、メロン、等々に喩えたい風味だったとある。さあ、こいつはどうだろうか。
 
クズマーノではおなじみのガラスの栓をあけると、いきなりビワとみかん水の香りがぶわっと。色は少しオレンジがかった黄色で、グラスで香りを確認すると、よく熟れたビワとメレンゲの香りが合わさったような甘い香りにミントを1枚添えたような香りがする。
 
口をつけると、すごくみかん水している。そこに、やはりビワの風味と石灰岩系の酸味が差し込む。うまい!これは別メーカーの品よりも良いぞ、ビワやミントの輪郭がくっきりしていて端正だ。いいワインじゃないか。
 
※二日目。ビワの香りがすっかり落ちてしまった! こうなると、あまり楽しい感じがしない。割と普通に白ワインしている。ということは、初日に大人数で飲み切ってしまって吉か。
 

【2213】Querciabella Mongrana 2016

 
クエリチャベッラ モングラーナ 2016
 
このワインは、トスカーナで良いキアンティ・クラシコを作っているクエリチャベッラの品、その最も安い部類のもの。品種などは調べていないけれども、たぶんスーパータスカン系かキアンティクラシコ系でしょう。
 
まず見た目。少し赤茶色がかった、まずまず標準的な赤ワイン色をしている。香りは、初手から埃や煙突を連想する香りが優勢、少し杉っぽさもあるかもしれない。ということは、こいつはカベルネソーヴィニヨン主体のワインってことだろうか。
 
で、口に運んでみると煙突風味がふわーっと来て、そこからじゅくじゅく果実系の味が来た。ということは、このワインはカベルネソーヴィニヨン+サンジョベーゼみたいなつくりじゃないか? ウェブサイトで調べたところ、実態はカベルネソーヴィニヨン25%メルロー25%サンジョベーゼ50%とのこと。いわゆる安物スーパータスカンってやつだ。しかし安物とはいえ、このカベルネ+サンジョベーゼ系の飲みやすさはどうだ。フランスとイタリアのキメラのようなワインと謗る人もいるかもだけど、カベルネの落ち着いた風味とサンジョベーゼの果実&イタリア味がうまいこと調和していてすこぶる美味い。飲み進めるにつれ、サンジョベーゼの果実味が輝き、森の下草みたいな風味も。これは嫌いにはなれないなあ、というよりお買い得ではないか。いいワインを知った。
 
※二日目。果実味がもっとジャムっぽく変化し、なにやら包容力のある、まろやかなワインになった。酸味が増したら痩せる、ではなくむしろ豊かになると。とてもいいじやないか。スーパータスカン、見直そうかな。
 

【2212】Domaine Robert Sirugue Bourgogne 2018

ドメーヌ・ロベール・シリュグ ブルゴーニュ ピノ・ノワール [2018]750ml
 
このワインは「ヴォーヌ・ロマネ、フラジェ・エシェゾー、ヴージョのN974の東側の畑」をブレンドされたワインとウェブサイトにある。これだけ見るとさも高級そうにみえるけど、ブレンド率が5%なのか、10%なのか、もっと高いのかは不明。期待していいのか、期待外れなのか、見当がつかない。
 
まず見た目。色は赤茶色がかっていてバランスがとれている。香りは……あまりはっきりしない。このワインはセラー破損に伴って半月ぐらい冷蔵庫に避難していたから、その悪影響なんだろうか。
 
口に含むと、森の下草のような香りと香料めいたところを伴った、香り高いワインだとわかる。口当たりは柔らかく、ブルゴーニュ赤の枠から大きく逸脱はしていない。酸味はやや弱いかも。ざらざら感のあるタンニンも相まって、飲みやすいけれども熟成可能性があんまりないんじゃないかとか考えてしまう。いや、平格のブルゴーニュ赤なら別にそれは欠点ってわけでなく、のみやすーい感じではあるのだけど。なんとなく良い香りのような気がするけど、ヴォーヌ・ロマネっていうほどのものかといわれると、あまりそういう感じはしない。でも、コンディションがいまいちだったのかもしれない。
 
 

【2211】Domaine des Accoles "Les 4 Faisses" 2018

 
ドメーヌ・デ・ザコル レ・カト・ファイス [2017]

このワインは、ローヌの隠れ旨ワインをつくっているザコルのシャルドネ。確かセットか何かについていたのだったと思う。南仏でシャルドネってことは、ブルゴーニュ系の白とは違ってくるはず。どういうおいしさを見せてくれるだろうか。
 
まず色。かなり黄色っぽい、というか少し黄緑色がかってさえいる。で、香りは初手からフルーツポンチっぽさが全開。これは南国のシャルドネだ! チリ産などに寄せた感じだぞ。
 
口に運ぶと、これまたフルーツ全開。えぐみなどはなく、涼しい感じだけど味のスカラー量はかなりのもの。酸味は控えめで、後味にもフルーツ系のものがじわーっと残る。飲み進めると、メロンやキュウリ系の風味が混ざって方向性はまさにチリワイン系。こういう方向性は好みではないけれども、南仏という土地に逆らうことなく丁寧に仕上げてきていると感じた。
 
※翌日。香りはいよいよ盛ん、でもフルーツ系は二日飲むと自分はちょっと飽きてくる。二日目になっても酸味が強くなる気配なく、豊満。