北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2218】Marcel Lapierre Cuvee MM XIV 2014

 
並行品MMXIX:[2019] モルゴン キュヴェ マルセル・ラピエール
※リンク先は並行品、また、ヴィンテージが異なります
 
このワインは、マルセル・ラピエールの作っているモルゴン、そのなかでもなんか偉そうな名前がついている品。でもって樹脂で蝋栓がしてある。ガメイで作られたクリュ・ボジョレーとしては屈指の品と期待して、さあ抜栓。冷蔵庫に入っていたのでちょっと間を置いて。
 
まず見た目。グラスに注ぐと、透過性の高い、ピノ・ノワールとあまり変わらない雰囲気の液体が出てきた。並べてみない限り、これがガメイかピノ・ノワールかはたぶんわからないだろう。香りは、ポートワインからアルコール臭を飛ばしたような、甘くて少し漆喰がかった香りがぷんぷんと匂い立ってくる。そして土か粘土のような香り。アルカリ土類金属、と昔なら譬えたいたやつ。
 
口に含むと、漆喰&べっこう飴の甘さが初手でワッと来て、そこからワインの酸味と健在な果実味が怒涛のように押し寄せ、口腔を満たす。これまで飲んできたモルゴンと比較すると、土っぽさより、この、ポートワインっぽさのほうが前に立っていて、後味の段にアルカリ土類金属めいた土っぽさ・粘土っぽさが尾を引く。飲み進めると、そうした風味が次第に強まり、飴っぽさや酸味とあわさってうまい具合に調和する。美味い。でもって香りのトーンがやっぱり高い。少し方向性は違うけど、当たりの時のバルバレスコのようだ。ガメイでできているけど、典雅な感じがある。
 
※翌日は、森の下草の風味とアルカリ土類金属っぽさが全体を支える展開、昨日ほど自己主張するのでなく、穏やかに飲ませてくれる。これもいいな。ただ、現在のこのワインは相当な値段になっているので、現在の購入価格では割に合わない感じがする。昔の、5000円以下で買えた頃の前提でいえば十分にペイした品だと思う。