北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2301】Bouchard Pere et Fils Bourgogne Pinot Noir "La Vignee" 2019

 
Bouchard Pere & Fils Bourgogne Pinot Noir ”La Vignee” 2020
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、ブルゴーニュ大手、ブシャールが手掛けている平格ブルゴーニュ。ブシャール、別に悪いメーカーだとは思わないけれども、なんとなーく濃い口な感じで、赤ワインづくりで知られる同規模の大手たち、たとえばジョセフ・ドルーアンやフェヴレなどに比べると好きじゃない。今回、セットワインのひとつとして入っていたボトルに遭遇、これをやってみることにした。
 
グラスに移してみると、いちおう、ピノ・ノワールらしい透明感のあるワインレッドなのだけど、そのなかでは色が濃い部類。平格ブルゴーニュ赤としてはとりわけそうだろう。香りを確認すると、照り照りとした果実の香りが来る。一応黒系果実って言っていいのかもだけど、ブシャールの場合、それがべっこう飴にでもコーティングされているかのような、こってりとした甘い香りを伴っている。この、べっこう飴のような感じはヴァルポリチェッラ系、なかでも濃くしたリパッソ系を思い起こさせるものがある。ブルゴーニュ赤ってジャンルに自分はこういうの期待しないというか避けているので、だからブシャールはあまり買わないのだと思い出した。
 
口に運ぶと、香りのこってりさとは裏腹に、かなり鋭い酸味が来る。黒系果実でこんなに酸っぱい感じは普通ないだろう。こってりしたコク、ともすればコーヒーに通じるようなコクがあるのだけど、この、強すぎる酸味と口のなかで折り合いをつけるのにちょっと時間がかかる。こういうのは、肉料理と一緒にやるとだいたい機嫌をなおしてくれるので、飲むのをやめて夕食までスタンバイしようか? とはいえ、少しずつ飲み進めると、乳酸系のニュニュっとした舌ざわりが加わり、ある面では飲みやすくなった。これが加わって、なんだか南の地方のピノ・ノワールっぽさに傾いたとも。なんにせよ、ちょっと好みの方向ではない。
 
※翌日。あいかわらず黒系果実ではあるけれども変にコクがあり、変に酸っぱさが後をひく。もちろん肉類と一緒にやれば相応に和むのだけど、それは赤ワイン全般に期待されることではある。やっぱり好みの作風ではないと再確認する思い。