北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2441】Stefano Legnani Bamboo Road 2021

 
ステファノ レニャーニ バンブー ロード 2021
 
このワインは、リグーリア州でつくられているよくわからないワイン。オレンジワインではないか、という指摘があるけれども知ったことではない。ワインが白っぽければ白ワイン、赤やロゼでなければ白ワインなのである、という意識に基づいてこれをあけてみる。
 
さあ抜栓!あれ?白くない。本当にオレンジ色をしているぞ? すこし濁った、僅かに緑色がかったオレンジ色をしていて、その色合いはオレンジジュースよりも赤系りんごジュースを少し明るくして黄緑色を足したような色にみえる。こういうのかー。香りは……へんなにおいがするな。糊のアラビックヤマトのねばーっとしたにおいに、果実のフレーバーをつけたらこんなにおいじゃないだろうか。ねちょーっとしたにおいだ。あとは花だ。これは沈丁花か?いや……ユリに似ている。ユリの香りは嫌いな人は嫌いかもだけど、これってユリじゃないか? 私は嫌いじゃないです。くせになりそう。
 
口をつけてみると、対照的にさっぱりすっきりとした口当たりに驚く。えらくすがすがしく、数秒経つとシュナンブラン等とは違った苦みと長い余韻の酸味がえもいわれぬフレーバーをなしている。でも基本はざっくり爽やか系の飲み口で、でもソーヴィニヨンブランのようなクセはなく、シュナンブランのような膨らみもなく、飲み口から後味まで割とストレートに進んでいき、酸味の減衰も気持ち良い品だ。で、アラビックヤマトとユリ。この香り、嫌いな人は嫌いかもだけど私は好きです。クンカクンカ。変わり種ワインですが、たまにはこういうのもいいでしょう。ワインの集中力からいって価格相応のクオリティとお見受けした。
 
二杯目ぐらいから、だんだん乳酸菌めいた、カルピスみたいな風味を伴うようになってきて、エディ・カンテのエクストロに通じるものが出てきた。どろーっとしていて、発酵に由来しているとおぼしき酸っぱさ。これはボトルの底のほうだからだろうか。オレンジワインは、たぶんこうなってるんじゃないか。ということは翌日に残したぶんは、たぶんもうちょっとすっきりしているんだろう。
 
※翌日、ボトルの比較的上のほうから保存しておいた残りを飲んでみる。カルピスの印象は残るけれども初日のどろっとした感じは大幅に軽くなっている。昨日より風味のつよさが落ちた反面、飲んでいて気持ちの良いフルーツフレーバーの前に出た白ワインになり、これも結構良い。オレンジワインを誰かと飲む機会にこいつを選ぶのは自分はアリだと思った。二日目の風味は結構好みのタイプ。