北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2473】Domaines Paul Mas "Vignes de Nicole" Cabernet Sauvignon Merlot 2021

 
ドメーヌ・ポール・マス・カベルネ・メルロー
 
このワインは、南仏安ワイン界では有名なポール・マスの手掛ける立派なボトルのワイン。安ワインのなかではいくらか貫禄のある上位モデル、いわゆるドメーヌものなのだけど、実際、どんなものだろう。
 
まず色。少し青みがかっているかもしれない、濃いワインレッド。赤茶色っぽさはほとんど感じられない。香りは初手から杉とヒノキの入浴剤、それから甘いバニラ~蜂蜜菓子系統の香り。甘そうなにおいもいちおう。
 
口に運ぶと、果実味がしっかりしていてここには酸味が感じられる。と同時に、若飲みカベルネメルロー系らしい温厚な飲み心地で、その落ち着いた佇まいはボルドー系の安ワインのよう。バニラの香りにふさわしい甘さがこのワインにはあり、初心者にはとっつきやすく、玄人にはいまいちかもしれない。が、私は甘みがあっても別に構わないし、このワインには苦みや適度なタンニンも伴っていて、甘いからといって無様というわけでもない。やや単調ながら香りもなかなかだし、間口の広い良いワインなんじゃないだろうか。オクシタン等、同ドメーヌ系統のもっと安いワインと比較すると、味も香りもしっかりしていて表情にバリエーションがある。
 
※翌日。初日に比べると温厚さがとれて力強く果実味フルパワーの姿があらわになった。こっちが実際の正体じゃないだろうか。みんなで飲むなら初日のほうがハッピーかも。