北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2478】Domaine Michel Gaunoux Pommard Rugiens Les Rugiens Bas 2012

 
ミシェル ゴヌー ポマール プルミエ クリュ レ リュジアン バ 2020
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、ブルゴーニュのなかでも熟成を必ず要すると言われているポマール一級リュジアン(バ)、しかもたぶんクラシック系の作り手のミシェル・ゴヌーによる品。そうだから、随分昔に買って以来、ずっと寝かせて2023年まで引っ張ってきたもの。前日のフェヴレによるブラニー一級との対抗試合と相成った。
 
念のため、抜栓して冷暗所に2時間以上そのままにしておいてからグラスへ。グラスに注ぐと、はじめはクラシック系ブルゴーニュ赤らしい、なんとも薄い赤茶色だと思ったり。光に透かすとルビー色に輝きいかにもブルゴーニュ赤って感じだ。ブラニーと比較すると、さすがにこちらのほうが濃い様子。香りは、抜栓直後にチョコレート&果実&味噌みたいなすごい匂いが迫ってきて、ポマール! という感じだったけど、グラスに注ぐ段階ではブランデーと味噌と鉄砲漬にピノ・ノワールを添えたがごとき、なんだかわけのわからない発酵食品めいた匂いに変わった。いいぞ! と思うと同時に、ちょっと冷やし過ぎたかもしれないとも。少し時間をおいて口をつけよう。
 
口に含むと、酸味がキューっと来て、完熟手前のサクランボのようだ。タンニンが非常にしっかりしていてまだこなれきっているとは言えない。、そこにコーヒー系のコクが合わさることで、よだれが無限に出てきそうな酸味にもかかわらずワインは壮大なスケール感を伴っている。まったく同じワインではないものの、ブルゴーニュバローロとでもいうべき、長く寝かせてナンボの気配が強く感じられる。昨日のブラニー一級と比較すると、酸味のしっかりしている点やタンニンがしっかりしている点、コーヒー系の風味を伴う点などは似ているけれども、スケール感や香りの摩訶不思議な感じはこちらが上回り、そもそも、このワインがどこまで熟成するのかはまだよくわからない。
 
ラニー一級を比較のために呑んだ後に戻ってくると、あちらよりこちらのほうが近づきがたく、やはり鉄砲漬や味噌のような香りで勝る。ここから、奇妙なことにヨーグルトみたいな面白い香りまである。時間が経ち、肉料理が介在するおかげでだいぶいけるようになった。そこから甘味や親しみやすさがどんどん高まり、全体のバランスが素晴らしくなってきた。発酵食品らしさに打ち解けた感じが加わって鬼に金棒、ずっと飲んでいたい気分だ。
 
※二日目。残念ながら再び発酵食品らしさが先立つようになり、味噌とサクランボが引っ込んでちょっとつまんなくなった。してみれば、このワインは初日のほうが面白かったってことになる。ピーク自体はもっと価格が上のブルゴーニュ赤に伍するけど、抜栓や熟成といった調整がピーキーなワインなんじゃないだろうか。畑名は由緒正しいものだけど、素人がコントロールするのは結構大変かもしれない。