北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2497】Francois Carillon Puligny-Montrachet 1er Cru Champ-Gain 2017

 
ドメーヌ・フランソワ・カリヨン / ピュリニー・モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・シャン・ガン [2018]
※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、ピュリニーモンラッシェの白ワイン名家ルイ・カリヨンの跡継ぎにして掘り出し物を作っているフランソワ・カリヨンのピュリニーモンラッシェ一級、シャン・ガン。銘品と言っていいだろう。ところが中華セラーが停止して被災してしまった。被災期間はおそらく24時間、ポマール一級とヴォルネ一級が吹きこぼれてしまっていたので、中華セラーのワインはこれから飲んでしまわなきゃいけない。
 
で、これ。抜栓時にコルクの状態を点検すると、瓶の首のところは濡れていないしワインの香りが噴き出してもいない。でもコルクの上端まで濡れ切っていて、ワインが熱によって膨張していた時間帯があったことを示唆している。あーやられてしまったかこれは。
 
グラスに注いでみると、見た目は薄い黄金色で、濃すぎず薄すぎず。我が家の白ブルゴーニュのハイロ―ミックスのハイであるエチエンヌ・ソゼの同じ畑と比較すると、こちらのほうが濃い。香りはふんわりお化粧+ほんのり緑系の植物オイル、そしてミネラリーな印象が際立つ。ソゼのシャン・ガンによく似ているが、こちらのほうが甘く、わかりやすい印象がある。
 
おそるおそる口に運ぶと……生きてる! 新鮮な酸にがっちりとしたミネラル風味、ブルゴーニュ白の系統にシャブリの長所をブーストしたようなワインで、細身かつ骨格がしっかりしている。でもって他のブルゴーニュ白、他のピュリニーモンラッシェ白と比較しても繊細かつ貴族的でおおお……って感じだ。後味に残る酸もいいね。とにかく酸っぱくて上品でミネラリーでなければピュリニーモンラッシェをあける値打ちはないのだから、三拍子揃っているこいつはご立派だ。いつでも上品な花束のような香りがあり、ソゼのシャン・ガンと同様、細身・軽量のところで目の醒めるような味わいをみせてくれる。このワインにはピュリニーモンラッシェ一級らしさがあると同時に(ソゼに比べれば)親しみやすさもあり、そして酒飲みがいくらでも飲めるような飲み吟醸的なところがあって素晴らしい。
 
※二日目。ん? クッキーの香りがよぎるようになった? や、これもこれでいい。シャン・ガンぽくはないかもしれないし熱で痛んだ影響かもだけど、すこうしふくよかになってムルソー一級に寄った表現になった。