北極の葡萄園

呑んだワインをひたすら記録しています。

【2172】Folium Marlborough Pinot Noir 2017

 
フォリウム ヴィンヤード マールボロ ピノノワール[2016]
 ※リンク先はヴィンテージが異なります
 
このワインは、何か月も前に京都のワイングロッサリーさんに立ち寄った際に買い、現地で飲むつもりだった品。ところが外飲みでワインを飲む機会があったものだから結局飲まずに持ち帰ることになってしまった。もう移動して長いので、移動による疲弊からはとうの昔に立ち直っているだろう。で、どうなんでしょうか。
 
まず見た目。ちょっと赤茶色がかった、新世界のピノ・ノワールとしてはあまり濃くない色合い。で、香りはサクランボがかなり優勢で、新世界のピノ・ノワールにありがちなコーヒー・カフェオレ感がやや後景に退いている。でもそういった香りが皆無なわけでもなく。ブラインドだったらカリピノを疑うんじゃないかと思ったり。
 
口に運ぶと、嬉しい赤系果実の味!その後にコーヒーがこみあげてしまう。でもコーヒー風味を噛みしめると、どこか革製品っぽくも思えて、一部の平格ブルゴーニュ赤に近い風味をしている。ピノ・ノワールにコーヒー風味がしていい人は、このワインより他の新世界メーカーを当たったほうがいいかも。で、ブルゴーニュ赤っぽさを求める人はブルゴーニュ赤を買えばいいのだと思う。じゃあこのワインはどうかと言ったら……新世界ピノ・ノワールと本家ブルゴーニュ赤のキメラみたいな感じがする。面白いことに、香りの成分のなかに炭や埃のような感覚すらある。どちらかのようで、どちらともいえず、じゃあ両者のちょうど真ん中かといったら、たぶんそうでもない不思議な飲み物だ。
 
「これはしばらく待ったほうが落ち着く」と嫁さんから指摘があり、じゃあそうしようと思ってしばし待ってみた。そうなると、分裂していた新世界風味とブルゴーニュ風味のちょうど真ん中みたいになって調和した印象に変わってきた。これは納得。新世界とブルゴーニュの中間狙いとして納得できるワインだった。
 
※翌日は、少しコーヒー風味がカフェオレぐらいのミルク成分を帯びた、まるっとした雰囲気になってきた。飲みやすい。